不動産売却で仲介手数料がかかる物件・かからない物件の見極め方

不動産を売却する際には、売買代金の約3%の「仲介手数料」が発生します。
不動産売却では売買代金の4~6%程度の「諸費用」が必要と言われており、仲介手数料は諸費用の中でも特に大きな割合を占める支出となっています。
しかし、仲介手数料は状況によって無料となるケースも存在します。最近では他社との差別化を図るために「仲介手数料無料」と謳う会社も増えていることから、今後は仲介会社を選ぶ際の一つの指標になるとも言えるのです。
下記Youtubeでは、弊社代表の沢辺が仲介手数料を無料にする方法をより詳しく解説しております。
本記事の主な内容は以下のとおりです。
- 不動産売却では、ほぼ全てのケースで仲介手数料が発生する
- 両手仲介の場合は無料にできる可能性がある
- 業者買取も両手仲介と同様の理由で無料にできる可能性がある
- 最初から手数料無料と謳っていても全ての物件が対象となるわけではない
- 「無料」には何らかの制約やリスクがあることを理解することが重要
仲介手数料は、仲介会社の手間賃であり利益の源泉です。そのため、全てのケースにおいて仲介手数料が無料になるわけではなく、一定の要件を満たす必要があります。
今回は不動産売却を検討されている方に向けて、仲介手数料がかかる物件・かからない物件の見極め方や注意点について解説していきます。
目次
不動産売却にかかる仲介手数料
不動産売却では売買代金の約3%の「仲介手数料」が発生します。ただし、この「約3%」はあくまでも「宅地建物取引業法」と呼ばれる法律によって定められた上限金額としての規定です。そのため、仲介会社との協議によって手数料を減額する、あるいは無料にすることも事実上可能な仕組みとなっています。
最近では他社との差別化を図るために「仲介手数料無料」と謳う会社も増えています。仲介手数料を無料にすることができれば、売買代金の4~6%程度の諸費用が必要と言われる不動産売却おいて3%もの支出削減ができるため、非常に大きな金銭的メリットを享受することができます。
なお、不動産売却にかかる諸費用については下記の記事で詳しく解説していますので是非チェックしてください。
不動産売却で仲介手数料がかかる物件
不動産売却では、ほぼ全てのケースで仲介手数料が発生します。
仲介手数料は、仲介会社にとって唯一の利益の源泉です。さらに成功報酬であるために、売買契約が成立して初めて売上および利益を得ることができるのです。
特に売却の場合は、物件査定に始まり、役所調査や販売活動、契約書および重要事項説明書の作成と説明など、購入に比べて遥かに多い業務を行う必要があります。そのため、売主が個人である場合、土地や住宅などの一般的な売却においては「原則的に仲介手数料は発生するものだ」と考えておくことが資金計画上は無難と言えます。
不動産売却で仲介手数料がかからない物件
一方、下記の様なケースでは仲介手数料がかからない場合があります。
- 両手仲介の場合
- 業者買取の場合
両手仲介の場合
不動産取引においては「片手仲介」と「両手仲介」の二つの形態があります。
片手仲介とは、売主と買主にそれぞれ別々の仲介会社が介在すること、一方の両手仲介は売主と買主の両方の仲介を一社が単独で担う取引のことを指しています。
仲介取引では、売主側・買主側に関わらず仲介手数料の上限は売買代金の3%程度と決められています。つまり、仲介会社としては片方ではなく両方の仲介役を担うことで単純に倍額の報酬を得ることができる仕組みとなっています。
逆に言えば、両手仲介の場合、売主・買主いずれかの仲介手数料を無料にしても、どちらか一方からの報酬があれば仲介会社としての収入を確保することが可能です。この様な背景から、他社との差別化を図るために、両手仲介の場合に限って売主の仲介手数料を無料にする、というサービスを展開する仲介会社が存在しているのです。
また、このようなサービスを展開する仲介会社の場合「専任媒介」という比較的拘束力の強い媒介形態を条件する場合が多いです。
専任媒介を締結した場合、売主は媒介契約期間中に他の仲介会社へ販売活動を依頼することができません。仲介会社はこの契約期間中に買主候補を見つけ、早期の両手仲介の実現を図るのです。
業者買取の場合
仲介会社の紹介により買取業者へ売却する場合も、仲介手数料を無料にできる可能性があります。
先述した様に、仲介会社は両手仲介であれば収入を確保することが可能です。業者買取の場合、買取業者は仲介会社からの物件紹介を受けているため、必然的に両手仲介が実現されるのです。
仲介手数料無料で注意すべきこと
仲介手数料無料で注意すべきポイントは以下2つです。
- 他の名目で請求されているリスクがある
- 交渉が必要である
他の名目で請求されているリスクがある
悪質な仲介会社の場合、仲介手数料は無料としていても特段の説明をせずに「広告費」「コンサル料」など別名目で報酬を請求しているケースがあります。
これら費用科目は法律により特段の規制がありません。また、大きな金額の取引であるために、細かい諸費用の金額は目立たなくなってしまいます。そのため、意外と請求されるままに支払ってしまう方が少なくないのです。
基本的に、仲介会社から請求される費用は仲介手数料以外にはありません。仲介手数料以外の請求を受けた場合は、余計な費用請求の可能性もあるため注意が必要です。
交渉が必要である
売却において仲介手数料が無料になること自体、実際は数としてあまり多くありません。先述した両手仲介の場合であっても、仲介業者にとっては手間やコストが発生しているため、基本的には売主へ手数料を請求することが通常です。したがって、前提として売主による手数料交渉はほぼ必須であると認識しておく必要があります。
また、最初から手数料無料と謳っている仲介会社であったとしても、流通性の高い都心好立地の物件に限られるなど、所有物件が対象物件とならなければ、そもそも利用できない可能性もあるのです。
この様に、「無料」とは聞こえが良いものの、そこには何らかの制約やリスクがあることも十分に理解しておくことが重要です。
おわりに:全ての物件が仲介手数料無料の対象となるわけではない
不動産売却では売買代金の4~6%程度の「諸費用」が必要と言われており、その中でも仲介手数料は特に大きな割合を占める支出です。
しかし、最近では他社との差別化を図るために「仲介手数料無料」と謳う会社も増えており、「両手仲介」あるいは「業者買取」などを条件に実際に無料になるケースもあるのです。
ただし、全ての物件が対象となるわけではありません。また、悪質な仲介会社の場合、仲介手数料は無料としていても「広告費」「コンサル料」など別名目で報酬を請求しているケースもあるため注意が必要です。
「無料」とは聞こえが良い一方で、相応の制約やリスクがあることも十分に認識しておく必要があります。
この記事を書いた人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)
埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。
この記事を監修した人

株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)
千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
趣味は料理、二児の父。