不動産売買の仲介手数料、約半数が上限の3.00%を負担。手数料無料を「知らなかった」8割超えも、利用には前向き
「イエフリ」では2022年8月、不動産売買の経験者を対象に物件の購入・売却状況、仲介手数料の支払い金額、仲介手数料無料サービスの利用状況・認知度などに関するアンケート調査を実施いたしました。
「仲介手数料を無料にする方法」について知りたい方は、Youtubeで弊社代表の沢辺が解説しておりますのでご覧ください。
目次
アンケート結果要約
- 不動産購入は中古物件がメインに
- 仲介手数料は法定上限の3.00%を支払う人がまだ多数派
- 「手数料無料」の認知度は低いが、利用には前向きな傾向
以下でひとつひとつ見ていきましょう。
不動産購入は中古物件がメインに
不動産の「直近の購入」については、購入者の24パーセントが「中古マンション」、次いで「新築一戸建て」が23パーセントと僅差で続きました。その他も、「中古一戸建て」が18パーセント、「新築マンション」が16パーセントと大きな差はついていませんが、新築物件(マンションと一戸建ての合計で39パーセント)よりも中古物件(マンションと一戸建ての合計で42パーセント)のほうがやや多く購入されている結果となりました。
図表:直近で購入した物件種別
新築物件の価格高騰が止まらず、マイホームも中古物件で手を打つ人が多くなっているようです。
仲介手数料は法定上限の3.00%を支払う人がまだ多数派
不動産売買時の仲介手数料に関しては、全体の47パーセントが宅地建物取引業法で定められた上限金額である「物件価格の3.00%」を支払っていることが明らかになりました(400万円を超える物件の場合の上限、消費税を除く)。
図表:不動産売買時に支払った仲介手数料の金額
仲介手数料「無料」で不動産売買をした人はわずか8パーセントにとどまりました。無料とまでいかずとも「1.00~2.00%」で売買した人は、合計で35パーセントとなりました。
上限金額の3.00%を支払っている人がまだ多数派ではありますが、「無料」または2.00%以下の仲介手数料で不動産売買を行っている人も43パーセントいます。インターネットなどで調べて交渉したり、手数料を安くできる不動産仲介会社・サービスを選んだりする人が今後さらに増え、多数派に取って代わるかもしれません。
「手数料無料」の認知度は低いが、利用には前向きな傾向
「仲介手数料無料の会社があることを知っていましたか?」(※)という質問については82パーセントが「知らなかった」と回答しました。仲介手数料が無料になったり割引できたりするということ自体、まだあまり認知されていないことが判明しました。
図表:手数料無料サービス(※)の認知度
また「知らなかった」と回答した人を対象に「次回、機会があれば仲介手数料無料の会社を利用しますか?」と質問すると、過半数53パーセントの人が「利用すると思う」と回答しており、前向きな姿勢を見せています。
図表:手数料無料サービス(※)の利用に対する姿勢
※売主から手数料が出る物件の場合、仲介手数料最大無料になるサービスのこと
一方で、「利用しないと思う」「わからない」という人も3割程度いました。その理由としては、以下のような意見が挙がっています。
高額な仲介手数料を支払うのだから安心して任せられる。もしも無料であれば、何らかのトラブルが発生した時に、適正な対処を望めないし、後悔しそうだから手数料を払わないことで、価格交渉や契約書の作成などの仲介サービスの質が落ちることが心配だから
信頼できる会社に依頼したいので、仲介手数料無料サービスと聞いても、メリットよりもデメリットがあるのではと敬遠してしまう
仲介手数料がなければ不動産会社の利益がないと思うので、仲介手数料という名目ではなく別の形で結局それに相当するような負担・費用が発生し、その限度額等が明確になっていないのではと不安に感じるから
無料であるがゆえに「トラブル時の対応やサービスの質に不安感をもつ」、「何かデメリットや損をする可能性がないか疑ってしまう」といった声が主なものでした。
不動産仲介業者は、売買時のお客様負担を減らすことそのものだけでなく、手数料を割引できる理由を明確に示し、お客様に納得して気持ちよく売買してもらえるような企業努力をしていく必要があるといえるでしょう。
調査概要
調査対象:不動産売買を一度でも経験したことがある人
調査地域:全国
調査期間:2022年7月19日~2022年8月2日
調査方法:クラウドソーシングサービスを利用し回答を収集
回答数 :300件
この記事を監修した人
株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)
千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
趣味は料理、二児の父。