新築戸建てを購入する際には、物件代金のほかに5~8%程度の「諸費用」が発生します。
不動産広告には、物件のアピールポイントとして毎月のローン返済の想定額が記載されるものは多く存在しますが、「別途諸費用がかかります」と購入に際して諸費用が必要であることを明示するものはほとんどありません。

そのため、諸費用の存在を知らぬまま「いざ購入を決めたタイミングで予算オーバーとなってしまう」この様なケースも実は少なくないのです。

Youtubeでは、4,000万円の家を購入した際の諸費用について、弊社代表の沢辺が詳しく解説しております。

本記事の主な内容は以下のとおりです。

  • 新築戸建ての購入には物件価格の5~8%程度の「諸費用」が発生する
  • 諸費用は物件価格や住宅ローンの利用有無など状況によって合計金額が異なる
  • 「契約時に支払うもの」「契約と決済の間に支払うもの」「決済時に支払うもの」3つのタイミングで支払いが生じる
  • 新築戸建てであれば仲介手数料を無料にできる可能性がある

諸費用は物件価格や住宅ローンの利用有無など状況によって合計金額が異なります。そのため、ご自身の場合は「いつ・どの程度」の諸費用がかかるのかを把握しておくことが物件を探すうえで非常に重要です。
今回は、新築戸建ての購入時にかかる諸費用について詳しく解説していきます。

新築戸建てを購入するときの諸費用とは?

「諸費用」とは、物件代金の他に発生する手数料や各種税金のことを言います。
諸費用の合計額は、物件価格や住宅ローンの利用有無など購入条件や状況によって異なりますが、新築戸建てを購入する場合は概ね物件価格の5~8%が必要と言われています。

なお、一般的に必要となる諸費用項目と費用相場は以下のとおりです。

  • 仲介手数料:物件価格の3%程度
  • 契約書印紙代:2万円(契約金額による)
  • ローン保証料・事務手数料:借入金額の2%程度
  • ローン契約書印紙代:2万円(契約金額による)
  • 登記費用:40万円前後

例えば3,000万円の新築戸建てを購入された方の諸費用は、150~240万円程度と想定されます。この金額に開きがあるのは、住宅ローンの利用有無や後述する仲介手数料の有無が影響しています。
また、登記費用は「登録免許税」と「司法書士報酬」の合算であり、こちらも住宅ローンの利用有無やどの司法書士に登記を依頼するかが金額に影響する項目です。

諸費用を支払うタイミング

不動産取引は原則的に「契約」と「決済」を別々に行います。
諸費用については「契約時に支払うもの」「契約と決済の間に支払うもの」「決済時に支払うもの」と、主に3つのタイミングで支払いが生じます。

契約時に支払うもの

  • 契約書印紙代
  • 仲介手数料(半金)

売買契約書に貼付する印紙は、契約前にご自身が郵便局などで現金購入します。なお、印紙金額は文書の種類および契約書記載の金額によって異なり、現行法では5,000万円までが2万円、5,000万円超から1億円が6万円など、記載金額が高くなるほど印紙金額も高くなる仕組みです。

また、仲介手数料の半金を契約時に仲介会社に支払うことがあります。仲介手数料を支払うタイミングは法律によって決まりがないため、契約時と決済時に半金ずつ支払うか、あるいは決済時に一括して全額を支払うかは仲介会社との協議により決定します。

契約と決済の間に支払うもの

  • ローン契約印紙代
  • ローン保証料・事務手数料

住宅ローンを利用する場合は、ローン契約書に貼付する印紙代およびローン保証料・事務手数料が発生します。
ローン契約においても売買契約時と同様にローン契約金額に応じた印紙が必要です。ローン契約書の正式名称は「金銭消費貸借契約書」であり、税法上は不動産売買契約書と同じ文書の種類であるため、記載金額に応じた印紙金額は同等となります。

また住宅ローン保証料や事務手数料の支払い時期は金融機関によって異なり、ローン実行時(決済時)の数日前に支払いが求められる場合と、ローン実行と同時に支払いを求められる場合があります。
なお、金融機関によっては、住宅ローン保証料を金利に上乗せして支払う方法もあります。この方法であれば購入時に大きな現金支出を抑えることが可能ですが、一方で、保証料の総支払額は一括で支払うよりも高くなるため注意しましょう。

決済時に支払うもの

  • 仲介手数料(半金)
  • 登記費用

決済時には仲介手数料と登記費用が発生します。
先述のとおり登記費用は「登録免許税」と「司法書士報酬」の合算です。登録免許税は登記する際に国へ支払う税金であり、所有権移転登記および住宅ローンを利用する場合は抵当権設定登記に関する規定の税額を支払います。

登録免許税は司法書士を経由して納税するため、決済当日に登記を依頼する司法書士への報酬と併せて支払うことが通例です。
なお、司法書士報酬は同じエリア内の司法書士であれば報酬が大きく異なることはありませんが、心配な方は複数の司法書士から相見積もりをとるのもよいでしょう。

少しでも諸費用を安く抑える方法は?

諸費用を抑える方法として一番効果的と言えるのが「仲介手数料を無料にすること」です。
新築戸建ての場合、売主は宅建免許を持つ不動産会社や建設会社であることがほとんどです。本来は売主自ら販売することも可能ではありますが、土地の仕入れと建物建築に注力することで事業効率を高める狙いがあり、販売活動は仲介会社に依頼することが通例となっています。

新築戸建てを仲介する仲介会社は、取引が成立した場合、売主と買主の両方から仲介手数料が支払われます。不動産業界では「両手取引」と呼ばれ、仲介会社としては同じ手間で倍額の報酬を獲得することができるのです。

「仲介手数料無料」と謳っている仲介会社は、この仲介手数料無料の仕組みがあるために、買主から手数料を取らなくても、売主からの手数料によって売上を確保しています。
買主としても、物件価格の3%が諸費用から低減できるため、資金計画をするうえでも非常に大きなメリットがあります。

ただし、どのようなケースでも無料にできるわけではないことに注意が必要です。仲介手数料無料については下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にしてください。

おわりに:必ず諸費用を含めた資金計画をしよう

新築戸建てを購入する際には、物件価格に対する5~8%程度の「諸費用」が発生します。
物件を探している方の中には諸費用の存在を知らない方も多く、いざ購入を決めたタイミングで予算オーバーとなるケースも少なくありません。

不動産取引は原則的に「契約」と「決済」を別々に行い、それぞれに発生する諸費用があります。
必要となる諸費用の項目や金額は、物件価格や住宅ローンの利用有無によって大きく異なるため、ご自身の場合は「いつ・どの程度」の費用が発生するのかを事前に把握しておくことが重要です。

また、新築戸建てであれば仲介手数料を無料にできる可能性があります。仲介手数料だけでも物件価格の3%と大きな諸費用額の低減が図れるため、新築戸建てを検討されている方は「仲介手数料無料」と謳う仲介会社へまずはご相談されることをおすすめします。

この記事を書いた人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)

埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

この記事を監修した人

株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)

千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
趣味は料理、二児の父。

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