40代・50代の方へ、失敗しない住宅(中古マンション・新築一戸建て等)購入のポイント5選|住み替え前に必ずチェック

40代・50代で住宅を購入しようとすると、意外な壁にぶつかることがあります。住宅ローンの年数制限健康診断の結果が影響したり、将来の住み心地まで考えないといけなかったり。20代・30代の頃とは違う悩みが出てくるものです。

せっかく購入するなら、後悔のない選択をしたいですよね。この記事では、宅建士の立場から、40代・50代の方が住宅を購入する時に知っておきたい5つのポイントをご紹介します。

この記事を読むと、こんなことが分かります。

  • 今住んでいる家に住みながら、スムーズに売却する方法
  • 住宅ローンを組む前に、健康面でチェックしておくこと
  • 年齢による住宅ローンの制限を乗り越える方法
  • 退職後も安心な返済計画の立て方
  • マンションを選ぶ時の、管理状態の見極め方

住宅購入は人生の大きな決断の一つです。特に40代・50代ともなれば、将来のことまでしっかり考えて選びたいもの。この記事では具体的な対策方法まで詳しく解説していきます。

宅地建物取引士である代表の沢辺が、YouTubeでも解説しておりますので、より詳細を知りたい方はこちらもご視聴ください。

1. 今住んでいる家に住みながら売却する方法

40代・50代で住み替えを考える場合、多くの方が「今の家を売って次の家を買う」というプロセスを踏みます。ここでよくある悩みが「今の家を空けないと売れないのでは?」という不安です。

空室にせずに売却できる

実は、住みながら家を売ることは十分可能です。不動産の売買では、居住中の物件も相当数あり、弊社の取引でも約半数は居住中の物件です。

売却が決まってから引き渡しまでは通常2〜3ヶ月の猶予があるので、その間に新居を探すことができます。

居住中だと、家の中に物がたくさんあるので、本当に物件が売れるか不安になる方もいます。
弊社の実例として、90平米・3階建ての一軒家のご家族の物件売却をお手伝いしたことがあります。6人家族で、小さいお子様がいらっしゃったため物がたくさんありましたが、スムーズに取引ができました。

物があることがむしろ、カモフラージュになる面もあります。例えば、カーペットが敷いてあると、細かいところまでは見られにくくなります。購入検討者も、基本的に食器棚や引き出しを開けて中を見るようなことはしません。また、空室になった後に改めて内見の機会を設けることで、トラブルを防ぐこともできます。

写真撮影のポイント

居住中の物件を売り出すときに特に重要なのが、写真の撮り方です。家の中の物がそのまま写っている写真は、問い合わせが減るので注意しましょう。

問合せが増える写真撮影のポイント

  • リビングは一時的に物を一方向に寄せて、キレイな場所を撮影
  • 正面から撮影することで誠実な印象 を与えることができる
  • iPhoneの超広角撮影で撮影すると広く見える
  • 水回りは清潔な状態で撮影
  • 外観写真やバルコニーなど、映せる箇所を積極的に活用

クリーニングと修繕で価値を上げる

物件の価値を高めるために、以下の対策をおすすめします。

  1. 水回りのクリーニング
  2. 壁の穴や床の目立つ傷の修繕(職人に依頼すれば、4~5箇所程度なら1日で修繕可能)

これらの対策をすることで、希望の価格から100万円以上高い価格で売り出し、そのまま成約できるケースも複数あります。

弊社で売却をお任せいただいた方には、無料でご提供しておりますので、気軽にお問い合わせください。

2. 健康面での注意点

住宅購入を考える40代・50代の方が特に気をつけたいのが、健康面での確認事項です。住宅ローンの審査に健康状態が影響することがあるためです。

健康診断と住宅ローン

住宅ローンの審査では、健康状態が重要な判断材料となります。例えば以下のような場合、審査に影響が出る可能性があります。

  • がんなどの重度の病気
  • 難病
  • 命に関わるような病気

一方、緑内障や脂質性異常などでも、薬の容量が多くない範囲でコントロールできている場合は、異常のない方とほとんど変わらない回答が来ているようです。

ご購入がある程度差し迫っている方や、急がなければならない場合は、健康診断を受ける前に住宅ローンの審査を受けることを検討してもいいかもしれません。異常が見つかると借りられなくなる可能性があるためです。

団体信用生命保険の活用

住宅ローンを組む際は、団体信用生命保険(団信)への加入が義務付けられていることが多いです。団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンを返済中に契約者が死亡や高度障害などの万が一の事態に陥った場合、住宅ローンの残高をゼロにすることができる保険です。金融機関によって利率は異なりますが、がんや三大疾病、八大疾病を保障する特約が付加できる場合があります。がんになったら住宅ローンが100%免除されるプランを組むことも可能です。

具体的な例として、ひろゆきさんのモノマネで知られるYouTuberのひろゆかないさんが団体信用生命保険(団信)に加入していて住宅ローンが免除されたという話を発信されていました。

将来の暮らしやすさ

  • 病院へのアクセス
  • スーパーやコンビニまでの距離
  • 坂道の有無や傾斜

今は問題なく感じる場所でも、60代・70代になったときのことを考えて選ぶことが重要です。人気エリアでも急な坂道がある場所は、将来の暮らしやすさを慎重に検討する必要があります。

3. ローン年数の制限と対策

住宅ローンの年数は、年齢によって制限があります。多くの金融機関では、返済終了時の年齢を80歳までと設定していることが一般的です。そのため、50歳の方が住宅ローンを組もうとすると、30年しか組めないといった制限が出てくることがあります。

親子リレーローンという選択肢

この制限に対する一つの解決策として、親子リレーローンがあります。これは、一定期間は親が返済し、残りの期間を子どもが返済するという仕組みです。

例えば

  • 30年間のローンのうち、25年を親が返済
  • 残りの5年を子どもが返済

退職金を活用した返済計画

親子リレーローンは一見印象が良くないかもしれませんが、計画的に活用できるケースもあります。

例えば、50歳で借りて65歳で退職金が入ってくることが見込める場合、その退職金でまとめて10年分を返済するといった方法も考えられます。

また、物件の価値が維持できる、あるいは上がり続けるような場所であれば、そのまま子どもに残しても不利になることはありません。このように35年でローンを組んで、退職金で一部をまとめて返済することで、返済負担を軽減できる可能性があります。

4. 返済計画の立て方

20代・30代の方と違って、40代・50代の場合は途中で定年退職を迎えるケースもあります。そうなると「月々の返済はそのままできるのだろうか」という不安が出てくるでしょう。

退職金でまとめて一定額を返済する方法は先ほど触れましたが、それも将来がどうなるかわからないという不安もあります。退職金が予定通り満額来るのかどうかなど、未来は分かりません

返済計画のポイント

できるだけ返済額を減らしていくために、このタイミングのボーナスでいくらまとめて返そうといった繰り上げ返済の計画は立てておくといいでしょう。こうすることで、将来的に残りの借金額を減らすことができます。

リースバックとリバースモーゲージ

そのような場合の解決策として、リースバックリバースモーゲージという方法があります。


リースバックは、一度物件をどこかに売却し、その売却先の不動産会社や金融会社から賃貸として借りる方法です。これにより一旦現金が入り、借金もなくなります。その後は月々の賃料を支払って、同じ家に住み続けることができます。


リバースモーゲージは、自宅を担保にして借金をする仕組みです。この資金で返済していくことができます。

ただし、どちらの方法も、残りの借金の額より物件が高く売れる場合のみ可能です。そのため、「価値が維持できる」「上がっていく」物件を選んでいると、これらの方法が可能になります。

リースバックについては、下記の記事でより詳しく説明しています。

資産価値の見極め方

物件の資産価値を見極めるポイントをご紹介します。

マンションの場合

  • 駅近などの立地
  • 近くの場所の再開発状況(大きい物件が建つことが決まっているなど)

また、物件の人気度を確認することも重要です。マンションの場合は以下の方法で確認できます。

  • 売り出しを待っている人数は大手の仲介会社のサイトで確認
  • マンションレビューで、いつ売り出されていつ売れたのかや、何人が見たのかを確認

参考: MansionReview(マンションレビュー)

戸建ての場合は物件ごとの確認は難しいため、売り出しから成約までどれくらいの期間と価格だったかといった情報を、不動産会社に確認する必要があります。弊社でも無料で調べてお渡ししているので、気軽にお問い合わせください。

資産価値が上がるマンションについては、下記の記事で詳しく説明しています。

5. マンション購入時の管理状態の確認

マンションを購入する際は、管理状態にも注目する必要があります。具体的には以下のような点を確認しましょう

  • 駐輪場の状態
  • ゴミ捨て場の状態
  • マンション周りの植栽の手入れ状態

修繕計画の確認

もう少し踏み込んだ確認事項として、修繕計画があります。通常はあるはずですが、不動産会社のページで修繕計画がない物件について請求を控えるよう注意書きがされているケースがあります。このため、最初に修繕計画の有無を確認しましょう。

確認すべき項目

  • 管理費や修繕積立金の滞納の有無
  • 過去の修繕状況
  • 現在の積立金
  • 次回の修繕予定

管理組合の総会議事録

管理組合の総会議事録も必ず確認しましょう。これは不動産会社を通じて取り寄せることができます。購入前に必ず不動産会社の担当者と一緒に読み合わせをすることをお勧めします。

マンション管理適正評価制度

2022年4月からマンション管理適正評価制度が始まっています。まだ浸透はしていませんが、この制度で5つ星評価を受けているマンションは、今後価値が上がる可能性があります。防犯や適正な修繕計画など、様々な項目で5段階評価をしています。

現時点ではこの評価によって査定額が変わるわけではありませんが、今後そのような方向に進んでいく可能性があるため、確認しておくとよいでしょう。
参考:マンション管理適正評価制度

まとめ:40代・50代の住宅購入で押さえるべきポイント

40代・50代で住宅を購入する際は、以下の5つのポイントに気をつけましょう。

  • 居住中でも売却は可能です。写真撮影を工夫し、水回りのクリーニングや壁の補修をすることで、より良い条件での売却が期待できます
  • 健康面の確認は購入のタイミングを考慮して行い、必要に応じて団体信用生命保険でリスクに備えましょう
  • 年齢による住宅ローンの制限は、親子ローンや退職金の活用で対応できます
  • 将来の返済計画は、物件の資産価値を見極めたうえで、繰り上げ返済やリースバックなども視野に入れて立てましょう
  • マンション購入時は、管理状態や修繕計画を必ず確認し、将来の資産価値も考慮しましょう

住宅購入は人生の大きな決断です。これらのポイントを参考に、慎重に検討を進めていただければと思います。

この記事を書いた人

株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)

千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
趣味は料理、二児の父。

【保有資格】宅地建物取引士、FP他

関連記事