手付金(テツケキン)

手付金とは、不動産の売買契約を締結する際に「買主」が「売主」に渡すお金のことです。

手付金には複数の機能(証約手付、違約手付、解約手付)があり、どの機能をもたせるかは当事者の合意で定めます。

  • 証約手付:不動産の売買契約が成立した証拠としての機能のこと。
  • 違約手付:契約違反があった場合に、手付を没収するか手付の倍額を返金する機能のこと。
  • 解約手付:買主が手付金を放棄するか売主が買主に手付金の倍額を支払うことで、契約を解除できる機能のこと。

契約で手付の機能を取り決めなかった場合は、解約手付と推定されます(民法第557条、および最判昭和24年10月4日)。不動産売買契約においても、解約手付として扱われるのが一般的です。

相手方が契約の履行に着手する前なら、買主は手付金を放棄することで売買契約を解約できます(「手付け流し」という)。売主も、買主に手付金の倍額を支払うことで解約できます。

手付金の金額についての規定はありませんが、売買代金の5~10%が一般的です。売主が宅建業者の場合は、売買代金の20%を超える手付金を受け取れない決まりになっています (宅地建物取引業法第39条)。

なお、手付金は売買代金の一部とは見なされず、当たり前のように売買代金に充当されるわけではありません。ただし、不動産売買においては、契約で「充当する」と定めるのが一般的です。

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