セットバック

不動産や建築における「セットバック=後退」には、2つの意味があります。(※英語のsetbackの意味は「後退」)
- 下階から上階に行くにしたがって建物を階段状に後退させて建てること
- 本来の敷地境界線(道路境界線や隣地境界線)より、建築可能な境界線を後退させて幅員4メートルを確保すること
後者は「敷地後退」や「外壁後退」と呼ばれています。この場合のセットバック部分には、建物だけでなく門・塀や擁壁等も建てられません。
なお、敷地後退や外壁後退には主に3つのケースがあります。
①敷地に接している前面道路の幅が4m未満の場合はセットバックの必要がある。消防活動の場や災害時の避難経路を確保するため、道路の中心から2m後退した線が道路境界線とみなされます (建築基準法第42条2項)。
②街区内に壁面線が指定されている場合。建築物の位置を整え環境を向上するため、建築物の外壁や高さ2mを超える門・塀は、壁面線を越えて建築できません(建築基準法第46条および47条)。
③低層住居専用地域や田園住居地域で「外壁の後退距離」が定められている場合。町並みの密集感をなくし、かつ採光や通風を確保するため、境界線から外壁までの距離を1.5mまたは1m以上離す必要があります(建築基準法第54条)。