家がなかなか売れない場合どうしたらいい?不動産を早く売却するための解決方法と見直しポイント

不動産売却にかかる期間は一般的に3~6ヶ月程度と言われています。しかしその一方で、売り出してから数年経っても成約に至らないケースも少なくありません。
不動産は他の商品と同様に、市場における需給バランスによって価格が決定されています。そのため、価格と商品価値のギャップが大きい場合や、販売方法が物件に合っていない場合は想定以上の時間がかかってしまう可能性があるのです。

初心者でも失敗をしないための不動産売却方法をYoutubeでも弊社代表沢辺が開設しております。

本記事の主な内容は以下のとおりです。

  • 不動産が売れない最も大きな理由は「売出価格と市場価格のギャップ」
  • 「最初は高く売出し、徐々に価格を下げていく」ということが一般的な販売手法
  • 仲介会社の企業規模や経験・実績によって販売上の優劣が生じる可能性がある
  • 「売れなかったときはどうするのか」についての提案も仲介会社を選ぶ際のポイント

売却開始当初は、誰しもが希望どおりに売却できるものだと考えます。しかし実際は、良くも悪くもシナリオ通りに成約に至るケースはあまり多くありません。したがって、売却当初から「売れないとき」に備えて選択肢を把握し、検討しておくことが重要です。

今回は現在売却中でなかなか売れずにお悩みの方、そしてこれから売却を検討されている方に向けて、不動産を早く売却するための解決方法について解説していきます。

まずは売却の基礎知識を知りたいという方はこちらの記事からご覧ください。

不動産が売れないときに見直すべきポイント

不動産が売れないときは必ず相応の理由があります。売却する不動産が山林や畑、市街化調整区域と呼ばれる原則的に住宅が建てられない特殊なエリアを除き、都市圏における中古住宅や宅地は商品としての市場価値が存在するはずなのです。

そして、不動産が売れない理由は下記2つに集約されると考えられます。

  • 価格
  • 仲介会社

価格

売出価格と市場価格のギャップは、不動産が売れない最も大きな理由と言えます。
不動産売却では、売出し当初はチャレンジングな価格格設とすることが一般的です。市場に出した際、運良くピンポイントに探している検討客が見つかれば、相場よりも高く売れる可能性があるからです。

仲介会社側も、「高く売れるとしたらこの価格です」と市場価格よりも高い査定価格を提示する会社がほとんどです。あまりに市場価格から乖離のある査定価格を提示する会社は悪質とも言えますが、仲介依頼を獲得するためには「当社ならこの価格で売却してみせます」と、売主にとって都合の良い提案をすることが通例なのです。

チャレンジングな査定価格を提示すること自体が悪いわけではありません。実際にその価格で売却できる可能性もあるため、査定価格を仲介会社選びの判断材料とすることは有益とも言えます。しかし、問題はその査定価格に対して売主の期待値が高い場合です。

不動産は「最初は高く売出し、徐々に価格を下げていく」ということが一般的な販売手法です。そのため、売り出してみて市場の反応が悪ければ、妥協して価格を下げていく必要があります。
しかし、売主の中には査定価格に対する期待値が高いためになかなか価格を下げることができず、結果的に長い間市場に放置される物件も存在しています。

仲介会社

価格に次ぐ大きな理由が「仲介会社」の問題です。
仲介会社は大手から地元密着型のものまで非常に多くの会社が存在しています。また、仲介会社と言っても全てが同じ仕事をしているわけではなく、個人顧客を主とする会社や法人顧客を主とする会社、収益不動産に特化する会社など、その特徴は多種多様です。

そのため、土地や戸建て、マンションなどの不動産の種類によって得手不得手があることに加え、広告展開や顧客リストの充実度なども、仲介会社の企業規模や経験・実績によって優劣が生じてしまう可能性があるのです。

さらに、「囲い込み」をするような仲介会社には特に注意が必要です。
囲い込みとは、仲介会社が売主・買主両方の仲介会社として介在する「両手取引」を実現するために、他の仲介会社からの検討顧客の紹介を何らかの方法で受け付けないことを言います。

仲介会社としては両手取引とすることで、売主・買主両方から仲介手数料を得ることができます。そのため、他仲介会社から問い合わせがあった場合は「既に見込み客が居ます」あるいは「成約済みです」などと噓をつき、なんとか自社の顧客で成約しようと試みる会社が存在するのです。

売却が開始してしまうと、なかなか仲介会社を変えられないのか売主心理です。しかし、売却がなかなか前に進まない場合は、仲介会社に大きな問題が存在する可能性もあるため、まずは見直すべきポイントと言えるのです。

あれ?この不動産仲介会社で本当に大丈夫かな…?とならないように、検討している不動産仲介会社はダメな仲介会社ではないか見極めをしておきましょう。

不動産が売れないときの解決方法

不動産が売れない場合、まずは「価格」と「仲介会社」を見直す必要があります。
しかし、売却開始後に継続的な問い合わせや内見が獲得できている場合は、むしろ価格や宣伝方法ではなく、顧客の購入判断を促すあと一歩の材料が不足している可能性があります。

ここからは3つの解決方法について見ていきましょう。

  • 部屋を清潔する・部分的にリフォームする
  • ホームインスペクションを利用する
  • 建物を解体して土地物件とする(築古戸建ての場合)

部屋を清潔する・部分的にリフォームする

内見顧客が購入を見送る理由として最も多いのが「部屋内部の印象が悪かったため」です。騒音や日照など物理的な問題は仕方ありませんが「部屋が汚い」「物が多い」「設備が古すぎる」といった様な印象面で断念される方が以外と多いのです。

物件を内見しているということは、価格やエリア、周辺の環境面に関しては条件をクリアしている可能性が高いと言えます。つまり逆を言えば、部屋内部の印象が顧客の期待以上であれば、その時点で成約に至る可能性は格段に向上するとも考えることができます。

内見を受け入れる際は、なるべく部屋の荷物を少なくし、清潔感が感じられるように準備しておくことが重要です。また、壁紙やフローリングなど、劣化が激しい部分についてはリフォームをしておくこともおすすめです。多少のコストは発生しますが、内見時に目に触れやすい表面箇所はなるべく新しいものに取り換えておくと良いです。

ホームインスペクションを利用する

中古住宅の場合「ホームインスペクション」を利用することで販売上のアピールポイントとすることができます。
ホームインスペクションとは、建築士や住宅診断士などを主とする専門家が、建物の劣化状況や欠陥の有無、改修を必要とする箇所を第三者として診断し、アドバイスを行う専門業務を指しています。

ホームインスペクションを行うことで、検討客は建物のコンディションを自らの目視に加え、専門家からより具体的な内容を提示してもらえるため、安心して取引をすることができます。
近年、ホームインスペクションは仲介会社による説明が義務化されたことや、大手不動産会社が競合他社とのサービス差別化の一環として展開していることから、利用件数は増加傾向であるものの、まだまだ一般に浸透しているとは言えない状況です。

ホームインスペクションの詳細はこちらからご覧いただけます。

したがって、競合物件との差別化を図るためにも、また今後高まるニーズに対応するためにもホームインスペクションの利用は早期売却に向けた有益な解決方法と言えるのです。

建物を解体して土地物件とする(築古戸建ての場合)

築古戸建ての場合、建物を解体して土地物件として売り出した方が早期売却に繋がる可能性があります。
木造戸建ては税法上における耐用年数が20年と設定されていることから、その前後が中古住宅としての一つの節目と言われています。

20年以上経過しているからといって住居として使えなくなったわけはありません。しかし、購入される方は今後10年・20年と使用されていくため、スペックよりも築年数を優先される方が多く、築20年以上の物件は人気が各段に低くなってしまうのです。

そのため、あまりに検討客が見つからない場合には、価格を下げる以外にも建物を解体して土地物件として売り出すことも検討すると良いです。
当然、建物の解体費用は売主としてのコストとなりますが、注文住宅を希望される方など、土地物件を探している方もターゲットとすることができるため、問い合わせの確率を高めることに期待ができます。

ただし、解体後一定期間を過ぎると固定資産税が建物付き土地ではなく更地としてみなされ、課税金額が一気に上がるため注意が必要です。解体する際は仲介会社に相談のうえ、更地にするタイミングを慎重に検討する必要があります。

スムーズな不動産売却には仲介会社の見極めも大切

スムーズに売却をするためには、仲介会社の見極めも非常に重要です。
先述のとおり、各社の査定内容にはさほど大きな差は生じませんが、販売戦略や見込み顧客の数、独自のサービスなど、会社によって得手不得手や特徴があります。
そのため、どの仲介会社に依頼するかによって、その後の販売進捗に大きな差が生じる可能性があるのです。

なお、売れなかった場合の「買取保証」をサービスとする仲介会社も存在します。仲介会社を選ぶ際には、査定価格や販売戦略以外のみならず「売れなかったときはどうするのか」についても提案を受け、判断材料の一つとすることをおすすめします。

おわりに:家がなかなか売れないときは「価格」と「仲介会社」の見直しを!

不動産売却にかかる期間は一般的に3~6ヶ月程度と言われていますが、数年経っても成約に至らないケースも少なくありません。
大きな理由は「価格」と「仲介会社」であり、基本的にはこの2つを見直すことで成約することが可能です。

しかし、売却開始後に継続的な問い合わせや内見が獲得できている場合は、むしろ価格や宣伝方法ではなく、顧客の購入判断を促すあと一歩の材料が不足している可能性があります。

戸建てやマンションである場合は、内見時の印象を良くするために部屋を清潔にしておく、あるいは一部をリフォームしたり「ホームインスペクション」を利用することで、検討客の購入判断を促すことが可能です。
また、築古戸建ての場合は、問い合わせの確率を高めるためにも、建物を解体して土地物件として売り出すことも一つの決方法です。

この記事を書いた人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)

埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

この記事を監修した人

株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)

千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
趣味は料理、二児の父。

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