リノベーションされた中古マンション購入を検討しているものの、どのタイミングで購入をするのが一番良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか?

マイホームとして中古マンションを購入した方々の特性や、計画のポイントは以下のとおりです、

  • 世帯年収は400万円から800万円が約40%
  • 世帯主の年齢は30~40代が約50%
  • 返済期間の平均は28.9年で、年間返済額は94.6万円
  • 子供のライフイベントや返済計画からプランニングする
  • 不動産市場の相場は気にしすぎない

この記事では、マイホームとして中古マンションを購入する方々の特性と、購入するタイミングの考え方、中古マンションの市場動向などについて、ご説明していきます。

また、東京の中古マンション価格の市場動向や相場推移を知りたい方は、弊社代表の沢辺による解説動画をぜひご覧ください。

中古マンション購入時期のベストタイミング

「この中古マンション、リノベーション物件で綺麗だしお買い得だと思っていたのに…どうしようか?」
「うーん、こんな時代だし、もう少し様子をみたほうがいいんじゃない?」
「でも、住宅ローン減税も期限があるし、低金利もいつまで続くかわからないし…あまり高年齢になったら、ローンの返済も大変だろうしさ。」

国土交通省が公表しているデータを元に、マイホームとして中古マンションを購入する方々の特性について、確認していきましょう。2020年のコロナ禍によって動向が変わる可能性もありますが、過去のデータから、収入と返済のバランスが取りやすい年収や年齢などを確認しておきましょう。

中古マンションを購入する方々の世帯年収の平均は694万円

国土交通省の令和元年度のデータによれば、中古マンションを購入する方々の世帯年収の平均は694万円です。
中古マンションを購入する方々の世帯年収の内訳は、

  • 400万円未満の方々が14.2%
  • 400万円~600万円が21.4%
  • 600万円~800万円が21.7%

約半数の方が800万円以下の世帯年収でマンションの購入をしていることが分かります。715万円という年収が高いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでも世帯年収ですから、共働きの方々も多くいらっしゃると考えれば妥当といえるのではないでしょうか。

一方で、新築分譲マンションを購入する方々の世帯年収の平均は798万円であり、600万円以下の方々が2割に減少しますが、分譲戸建住宅では688万円、中古戸建住宅では720万円と、物件の中でも新築分譲マンションを購入する方々の世帯年収の平均が最も高い結果となっています。この理由としては、マンション相場の高騰が原因といえますが、相場に関しては後ほど説明します。

また、中古マンションの世帯主の平均年齢は48.2歳です。
世帯主の年齢の内訳は、

  • 30代が23.9%
  • 40代が28.7%

30代~40代の方々が約半数を占めています。収入がそれなりに安定し、子供が生まれるなど、家族のための住居としてマイホームを購入する方が多いといえるでしょう。これは、中古マンションの居住人数の平均が2.7人であることからも予測できます。

返済期間の平均は28.9年で、年間返済額の平均は94.6万円

住宅ローンの返済期間を見てみると、中古マンションを購入した方々の返済期間の平均は28.9年であり、分譲マンションの31.5年、分譲戸建住宅の32.7年よりも短い期間で返済を終えていることが分かりますが、住宅ローンの返済年数は最長35年とされていることが多いことからも、ほぼ生涯に渡って返済を続けていく方が多いといえるでしょう。

さらに、年間返済額の平均は94.6万円であり、1ヶ月あたり7.88万円であることが分かります。この金額はボーナス払いなどを加味していない毎月の返済額であり、家族が居住するためのマイホームの家賃としては賃貸よりも安いと感じられるかもしれませんが、マンションには修繕費や管理費の負担が2~3万円程度あることを考えれば、同等か若干高めといえるかもしれません。

中古マンション購入時に注意したいこと

中古マンション購入時に気を付けるべきなのは、家族のライフイベントと返済計画です。特に返済計画については現在の収入よりも重要で、返済できる金額や年齢を逆算して、予算を組むことから始めるべきです。

主に子どものライフイベントで購入タイミングが大きく変わる

子供が生まれて収入も落ち着いた頃、そろそろマイホームを考える方が多いといえますが、子どものライフイベントによって自ずと引越しのタイミングが限られることになります。大半の方々が小学校入学前にと考えるようですが、これはマイホームの購入に転校が伴うことを考えてのことでしょう。

子供が小学生であれば中学生への進学タイミング、中学生であれば高校生への進学タイミングとなりますが、高校生以上の場合は通える範囲であれば問題ないともいえます。いずれにせよ、小学生になる前にマイホームを購入したいと考えるのであれば、子供が生まれてから6年間の間で検討しなければならず、子供が生まれたばかりというのも厳しいと考えれば、自ずと最適なタイミングが導き出されることになります。

完済の年齢を逆算すると予算や購入タイミングも変動する

中古マンションを購入した方々の返済期間の平均は28.9年であり、住宅ローンは最長35年間が多いことを考えると、収入が減る定年退職などから逆算すれば最適な購入タイミングが分かります。もし、定年退職が65歳であれば、返済期間の平均が28.9年であることを踏まえて、36歳頃から住宅ローンを組めば、無理なく返済することができるといえるでしょう。

もっとも、購入する中古マンションの価格によっては、返済期間や毎月の返済額は変動しますし、退職金がある場合には、残債があってもそのタイミングで全額支払うことができるため、退職後の収入はそれほど気にする必要はありません。

【おまけ】不動産相場の動向と引越し繁忙期について

昨今の不動産相場の動向や引越しの繁忙期についても確認しておきましょう。特に不動産相場については、マイホームの購入と切り離すことが重要です。

マンションの価格は右肩上がりで高騰している

アベノミクス以降、株価は右肩上がりとなっておりますが、マンションの相場も株価に連動しやすく、好景気になるとその価格も高騰します。コロナ禍後の経済悪化を考えれば、マンションの相場も下がる可能性が高いといえますが、相場が下がるのを待って購入をするのは不動産投資の考え方です。マイホームは生活拠点ですから、あくまでも家族のライフイベントに合わせて購入のタイミングを決めるべきでしょう。

なお、不景気になり不動産相場が下がれば、ボーナスのカットなどで自分自身の収入が減る可能性も十分にあります。結果的には不動産相場の下落を待っても、返済負担については大幅に変わらないともいえるのです。

引越しの繁忙期は1月~3月

新年度に向けて引越しを検討する方は多く、売買、賃貸ともに繁忙期は毎年1月~3月です。引越しの繁忙期も同じく毎年1月~3月ですが、この時期は引越し業者の費用が高騰することには注意しましょう。また、土日指定や時間指定などでさらに料金が高くなるため、平日の時間指定無しなど融通を効かせると、比較的安く済みます。

また、マンションの値下げ交渉についても、繁忙期の終盤であれば有利になるといえます。閑散期に入ってしまうと、そこから1年近くは売れ残りになる可能性があるからです。つまり、3月末から年度初めは交渉が有利に運ぶ可能性が高いですが、自分自身の家族の引越しのタイミングが年度始まり以降になることには注意が必要です。

おわりに:中古マンション購入は家族としっかり相談しよう

中古マンションを購入する年齢や年収には一定の相場はあるものの、家族構成については人それぞれです。子供がいる方もいない方も、家族のライフプランを考えながらその最良なタイミングを考え、年収や返済期間を考えながら、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。

また、購入のタイミングを検討する際にあわせてチェックしておきたい「中古物件購入の値下げ」については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

マンション購入にかかる費用のシミュレーションについてはこちらの記事でも詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:Z世代マンション購入者の1/4は世帯年収「400万円未満」。マンション購入にかかる費用をシミュレーションしてみた|マネーFix

気になる物件がございましたらお気軽にお問い合わせください。
1営業日以内に仲介手数料無料にできるか回答いたします。

この記事を監修した人

宅地建物取引士小林弘卓

長野県軽井沢生まれ、群馬県高崎市育ち。教員免許を取得したのち、教育関係の仕事に従事も、現場にて母子家庭や貧困家庭を目の当たりにし、何か役に立つことはできないかと決起。ファイナンシャルプランナー2級およびAFP、宅地建物主任者の資格を取得後、家計のやりくりから投資運用などお金のアドバイスだけではなく、様々なお悩み事を第3者の視点でアドバイスすることを目的とした「トータルアドバイズ」代表として活動。九星気学鑑定士としての人生相談も好評を得ている。

個人ブログ:https://ameblo.jp/total-advise-company/

関連記事