住宅リフォームにかかる費用目安やメリット・デメリットを解説

現在の住宅市場では戸建て・マンションを問わず「リフォーム」が根強い人気を持っています。
かつて「新築至上主義」と言われた日本においても、中古物件が豊富に流通するようになったことや、リフォーム技術の向上などによって、新築よりもコストを大幅におさえつつ、自分好みの設えを実現できることが人気の理由と考えられます。
しかし、リフォームの仕方次第では、売却時に損をしてしまうことがあります。
Youtubeでは弊社代表の沢辺が中古マンションにおけるリノベーションのNG行為について、詳しく解説しております。
本記事の主な内容は下記の通りです。
- リフォームの目安を把握した上で予算組みすることが重要
- リフォーム費用の内訳を理解しよう
- お得にリフォームする方法を知ろう
- リフォームのメリット・デメリットを知ろう
リフォーム費用は施工範囲や部材の金額のみならず、同じ工事内容であっても施工業者によって大きく異なる可能性があります。そのため、リフォームを検討する際は、まずは費用の目安を把握しておくことが重要です。
今回はリフォームを検討されている方に向けて、項目ごとの費用目安や施工によるメリット・デメリットまで幅広く解説していきます。
目次
住宅のリフォーム項目と費用内訳
住宅のリフォーム費用は、広さや構造、設備のグレードなどによって異なります。
下記は一般的なリフォーム項目と費用の内訳です。
- フローリングの貼り替え:約8万円(6畳)
- クロスの貼り替え:約4~6万円(6畳)
- トイレ:15~40万円
- キッチン:40~100万円
- 浴室:60~150万円
- 洗面台:20~40万円
- 給湯器:15~25万円
- リビング:100~150万円(10畳)
フローリングの張り替え
フローリングの張り替えは6畳で約8万円です。使用する木材によって価格は異なるため、室内のイメージを固めたうえで専門会社に相談すると良いです。また、和室からフローリングへの変更の場合、6畳で15万円程かかります。
クロスの張り替え
クロスの張り替えは6畳で約4~6万円です。窓の大きさや、クローゼット・扉の大きさによってクロスを貼る部分の面積が異なるため、必要面積に応じて価格も異なります。
トイレ
トイレ交換の費用は約15~40万円です。タンクレスや節水・節電機能などスペックにより価格が大きく変動します。また、トイレ交換の際に壁紙の交換や手すり・手洗いカウンターの設置などを一緒に方が多いです。
キッチン
キッチン交換の相場は40~100万円です。キッチンは食洗機やオーブン付きといったスペック面だけでなく、I型、L型、コの字型など配置も様々なタイプがあります。また、壁付け型のキッチンをカウンターキッチンに変更するなど大規模な工事の場合、100万円以上かかることもあります。
浴室
浴室交換の費用は60~150万円です。タイル貼りやコンクリートで作られた在来工法の浴室からユニットバスに交換する場合、通常のユニットバス交換よりも費用がかかります。
洗面台
洗面台交換の費用は20~40万円です。シンプルなデザインのものから、6面鏡のものや、洗面器が2つあるものなど幅広い製品があります。洗面所の広さや機能をもとに商品を選択すると良いでしょう。
給湯器
給湯器交換の費用は15~25万円です。ガス給湯器の場合「号数」によって価格が異なります。家族の多い家庭ほど「号数」の大きい給湯器が必要になるため費用もかかります。
リビング
リビング(10畳)のリフォーム費用は100〜150万円です。間仕切りの撤去・追加などにより間取り変更する場合や、床暖房を設置する場合はその分費用も高くなります。リビングは施工内容によって大きく費用変動する項目であるため、どの工事がご自身にとって本当に必要なのか、事前にしっかり検討しておきましょう。
ソーラーパネル(太陽光パネル)
近年、補助金や蓄電器とセットで防災目的での設置が増加しているソーラーパネル
屋根に固定で設置するものは、装置や工事費・パネルの費用を合わせて
150万円程度~かかります。
固定式では、価格が高すぎてハードルが高い…という方は
ポータブル式のソーラーパネルもあります。防災目的だけ考えると、こちらのほうが何かと便利かもしれません。
100Wのもので、セール時であれば2.5万円程度~販売されています。
参考:
ポータブル電源ソーラーパネル|Jackery Solar Generator
リフォーム作業以外にかかる費用内訳
リフォーム作業には大きく分けて3つの費用がかかります。
- 材料費:木材やクロス、設備など
- 工事費:職人さんの人件費(人数×日数)
- 諸経費:現場管理費や経費
さらにリフォーム作業時以外にも諸費用がかかるため注意が必要です。リフォーム作業時以外にかかる費用の主な内訳は下記のとおりです。
- 設計費
- 交通費
- 撤去・処分費用
設計費
リフォーム時に間取りを変更する場合などに発生する費用です。小規模なリフォームであれば設計費が発生しない場合もありますが、単に工事費に含まれておらず別途請求される可能性もあるため、設計費の有無についてはしっかり確認しておきましょう。
交通費
資材を運搬する交通費や駐車場代です。ご自宅に駐車場があれば駐車場代はかかりませんが、近くの駐車場を利用する場合などに発生します。工期によって金額も異なるため注意しましょう。
撤去・処分費用
リフォーム時に解体した木材や、元の設備などを撤去・処分する費用です。大型の設備は家庭ゴミでは処分できないため、処分費用がかかります。
リフォーム費用を安く抑えるポイント
リフォーム費用を安く抑えるポイントは主に3つです。
- リフォームの内容を見直す
- 複数社に見積もりを依頼する
- 補助金を利用する
リフォームの内容を見直す
リフォーム時に製品を調べているうちに「グレードの高い製品ばかり選んでしまった」というのはよくあるケースです。リフォームの最大の利点はコストパフォーマンスが高いことです。予算計画が芳しくない場合はリフォームの目的を再度確認し、施工内容の優先順位や製品グレードについて今一度見直すことが重要です。
複数社に見積もりを依頼する
リフォーム時には複数社への見積り依頼をおすすめします。1社の見積りではその見積りが高いのか安いのかを判断することが難しいため、複数社から同じ施工内容による見積りを取得し比較しましょう。
ただし、価格だけによる業者選定は危険です。安い業者に依頼したものの、施工が雑過ぎて結果的に満足できないとなっては本末転倒です。しっかりコミュニケーションを取りながら、信頼できる会社に依頼しましょう。
補助金を利用する
リフォームは一定の要件を満たすことで補助金や税制優遇を受けることができます。ただし、多くの場合リフォーム前に届出が必要なため、補助金や優遇が適用されるリフォーム内容であるか、事前に確認しておくことが重要です。
住宅リフォームをするメリット・デメリット
住宅リフォームをするメリット
- 快適性が向上する
- 売却時のアピールポイントとなる
リフォームの最大のメリットは「快適性が向上する」ことです。
困っていた設備の不具合がなくなることや、古い室内が新しくなることでストレスからも解消されるでしょう。また、設備を交換することで、毎日の家事が楽になる、あるいは電気代が節約できるなど金銭的メリットも享受できる可能性があります。
リフォームすることで、将来的に売却する際にも「○○○○年リフォーム済」といったように販売上のアピールポイントとすることもできます。これにより、通常物件よりも良い条件での売却ができる可能性もあります。
住宅リフォームをするデメリット
- コストが高くなる場合がある
- 自由度が低い
建物の状態や立地条件によっては非常にコストが高くなる場合があります。想定よりも修繕箇所が多い、あるいは自宅の前に工事車両を駐車できず資材運搬が困難である場合などは、通常よりも多額のコストが予想されます。
また、住宅の構造や柱の位置などによってリフォームの自由度は制限されます。そのため、要望していた室内空間が実現できない可能性を認識しておく必要があります。
おわりに:リフォームの相場を把握して、事前にイメージを固めよう
現在の住宅市場においては、中古物件が豊富に流通するようになったことや、リフォーム技術の向上などによって、新築よりもコストを大幅に抑えながらも自分好みの設えを実現できる「リフォーム」が根強い人気を持っています。
なお、リフォームによるコストパフォーマンスを最大限に引き出すには、事前に費用相場を把握しておき、同じ施工内容で複数社から見積もりを取得することがおすすめです。
また、検討を進めるうちに予算オーバーしてしまうこともよくあるケースです。この様な場合は、リフォームの目的を再度確認し、事前のイメージと照らし合わせながら、施工内容の優先順位や製品グレードについて都度見直すことが重要と言えます。
リフォームとあわせてよく調べられている「ホームステージング」については、こちらの記事で解説しています。
ぜひご覧ください。
この記事を書いた人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)
埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。
この記事を監修した人

株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)
千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
趣味は料理、二児の父。