ホームステージングとは?売却時にやるとどんなメリットがある?

不動産売却で注目を集めている「ホームステージング」
ホームステージングとは物件をより魅力的に見せることで、多くの購入希望者を集客することを目的とした販売手法のことを言います。部屋をモデルルームの様に家具や家電、装飾品などで魅力付けを行うことから「家を(home)演出すること(staging)」と呼称されており、アメリカではごく一般的な販売手法として広く利用されています。

本記事の主な内容は以下のとおりです。

  • ホームステージングは多くの購入希望者を集客することを目的とした販売手法の一つ
  • 2010年代前半に大手仲介会社が販促ツールとして採用しはじめた
  • ホームステージング は「空き家」「居住中」いずれの物件でも利用することができる
  • 「内覧は最初の6秒が決めて」といわれており、ホームステージングの効果は非常に大きい
  • ホームステージングの費用は、概ね5~30万円程度
  • 「LDのみ」「水回りを加える」など予算に合わせてプランを調整できる

日本国内におけるホームステージングの歴史は浅く、現在も一般化まではしていないものの、2010年代前半から大手仲介会社が販促ツールとして採用したこともあり、徐々にその認知度や利用率は高まっています。
今回は住宅売却を検討されている方に向けて、ホームステージングの基礎知識や期待される効果、費用についてご紹介していきます。

ホームステージングとは

ホームステージングとは、中古物件において家具や家電、装飾品を設置してモデルルームの様に部屋内部の魅力付けを行う販売手法のことを指します。
アメリカでは一般的な販売手法である一方で、日本での歴史は浅く、2010年前半から大手仲介会社により販促ツールとして採用されたのをきっかけに、近年では徐々にその認知度や利用率が高まっています。

どんなときにホームステージングをするの?

ホームステージング は「空き家」「居住中」いずれの物件でも利用することができます。
空き家はそもそも家具・家電が無いため、内覧した顧客が住まいのイメージをしづらく、さらに「殺風景」「冷たい」という空き家特有の印象を持たれてしまう傾向があります。また、居住中の場合も、売主の「生活感」や「個性」が印象に強く残ってしまい、顧客の購入判断に影響を与える可能性があります。

ホームステージング はプロのコーディネーターが物件の間取りや周辺環境、市場調査などに基づいて最適な演出方法を選定します。
「内覧は最初の6秒が決めて」とも言われています。よりオシャレでより快適な住まいの演出をすることによって内覧時における第一印象を良くし、顧客の購入決断を促す狙いがあるのです。

ホームステージングで得られる効果

ホームステージング には以下のような効果が期待されます。

  • 内覧時の第一印象を良くできる
  • 集客の促進ができる

ホームステージング によって内覧時の第一印象を良くすることで、検討顧客の購入確度を高めることができることに加え、モデルルームの様な魅力的な部屋内部の画像をネット掲載できることから「集客の促進」という効果も期待できます。

さらに画像に加えて、近年ではホームステージング後の室内を専用カメラで360°撮影し、バーチャル上で物件を紹介できる「3Dウォークスルー動画」という技術も利用されています。これによって、顧客の内覧意欲をさらに高めることが期待できるのです。

ホームステージングのやり方

ホームステージング を利用するには下記2つの方法があります。

  • ホームステージング を専業で行う業者に直接依頼する
  • サービスとして展開する仲介会社を経由して依頼する

一つ目がホームステージング業者に直接依頼する方法です。
専門業者のほか「ニトリ」などでもサービスを展開しており、ホームステージングを取り扱う会社の数は年々増加傾向にあります。各社のホームページでは過去の実績やイメージ画像などが豊富に掲載されていますので、気になった複数の業者からいくつか提案してもらうことがおすすめです。

なお、ホームステージング には専門資格もあり、一般社団法人日本ホームステージング協会が認定する「ホームステージャー」を持った担当者が在籍することを前提に検討すれば、より安心して依頼することができます。

また、大手仲介会社には他社とのサービス差別化の一つとして、ホームステージング を無料で提供する会社も存在しています。
サービスを利用するためには物件の築年数や住戸面積、仲介契約においては「専任」もしくは「専属専任」を締結するなど、いくつか条件を満たす必要がありますが、該当した場合のメリットは非常に大きいため、まずは利用可能か仲介会社に問い合わせてみましょう。

ホームステージングにかかる費用

ホームステージングの費用は概ね5~30万円程度です。
会社やプランによって異なりますが、一番安いワンルームで5万円、3LDKなどファミリータイプで30万円程度が相場と考えられます。

なお、ホームステージングに使用される家具・家電は基本的にレンタルを前提としており、期間は3ヶ月程度が一般的です。
また「LDのみ」「水回りを追加」あるいは「3D画像追加」など、予算に応じてプランを調整することが可能です。

当然のことながら、費用をかけた分だけ見た目の魅力は増しますが、実際にそれが売却価格にどの程度寄与するかは売却が完了してみなければ分かりません。一方で、あまり安価に抑えてしまえばホームステージング最大の目的である「集客」と「第一印象の魅力付け」の効果は大幅に減退してしまいます。

したがって、どの程度費用をかけるかは安易に決めず、ご自身の主観はもちろんのこと、コーディネーターや仲介会社の意見をしっかり分析しながら慎重に判断することが重要です。

はじめて不動産売却する方はこちらの基礎知識もあわせてご覧ください。

おわりに:どの程度費用をかけるかは専門家の意見を聞きながら慎重に判断しよう

ホームステージングとは、物件をより魅力的に見せることで多くの購入希望者を集客することを目的とした販売手法の一つです。
最近では専門業者のほか「ニトリ」などでもサービスを展開しており、ホームステージングを取り扱う会社は増加する傾向にあります。

費用は概ね5~30万円程度です。基本的には3ヶ月のレンタルを前提とする会社が多く、予算に応じてプランを選択することが可能です。
ただし、いざホームステージングを利用しようとも、その費用対効果を明確に想定するのは難しいため、専門家の意見をしっかり分析しながら慎重に判断することが重要です。

この記事を監修した人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)

埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

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