特定取得とは?住宅ローン控除との関係性について徹底解説します

住宅ローン控除において重要なキーワードである「特定取得」と「特別特定取得」。
これらは2014年以降の消費増税後に住宅取得した場合を指しており、特定取得に該当する場合は住宅ローン控除の年間最大控除額が40万円、さらに特別特定取得に該当する場合は控除期間が最長13年となるなど、通常よりも住宅ローン控除における減税額が大幅に優遇されます。
住宅市場は国内経済に波及する影響が非常に大きく、増税に伴う過度な住宅需要の減退を防ぐため、特定取得および特別特定取得の概念は誕生しました。
本記事の主な内容は以下のとおりです。
- 特定取得・特別特定取得に該当する場合、住宅ローン控除で大きな優遇を受けられる
- 特定取得とは2014年4月の消費増税以降における住宅購入のこと
- 特別特定取得とは10%消費税における住宅購入のすること
- 「売主が個人」の場合、増税以降の購入であっても消費税が発生せず特定取得ではない
- 住宅ローン控除を利用するためには必ず確定申告が必要となる
住宅ローン控除は適用されれば大きな金銭的メリットを享受することができます。実際、予算の関係で中古物件を検討していた方が、住宅ローン控除を理由に新築物件へと路線変更されるといったケースも少なくありません。
今回は住宅購入を検討されている方に向けて、購入時に必ず押さえておくべき特定取得と特別特定取得について詳しく解説していきます。
実際の住宅ローン控除シミュレーションを知りたい方は、Youtubeで弊社代表の沢辺が解説しておりますので、ご覧ください。
目次
特定取得とは?
「特定取得」とは、売買における消費税率が8%または10%である住宅購入のことを指します。端的には、2014年4月の消費増税後に住宅を購入し、消費税が発生する場合がこの特定取得に該当すると覚えておくと良いです。
特定取得に該当する場合、後述する住宅ローン控除や贈与税の軽減措置など税制面での優遇措置を受けることができます。
特別特定取得とは?
「特別特定取得」とは、2019年10月の消費増税(10%)以降の住宅購入を指します。
消費税率が従前の8%から10%に上昇したことを受けて、住宅ローン控除について更なる緩和措置が加えられています。
住宅ローン控除との関係
住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んで住宅購入した場合に年末のローン残高に対する1%の金額を原則10年間、所得税額から還付する制度です。
住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金等特別控除」であり、1972年の「住宅取得制度」を発端に、さまざまな変遷を受けて今日の制度内容となっています。
住宅購入は、それに伴う引越しや家具・家電の購入など、関連する業界も幅広く、住宅市場の状況が日本経済に直接大きな影響を与えます。そのため国としても、なるべく住宅供給の維持・向上を図るために住宅購入をした場合の優遇措置を施しているのです。
2014年および2019年の消費増税においても、増税による住宅供給の鈍化を防ぐために今回解説する「特定取得」と「特別特定取得」という概念が誕生し、さらなる税制面での緩和や優遇措置を行っています。
特定取得における優遇措置
特定取得に該当する場合、年間最大控除額が40万円に増額されます(認定住宅等の場合は50万円)。
特定取得に該当しない場合(増税前の売買や非課税住宅の購入)、最大控除額は20万円になります。特定取得に該当すると、10年間合計で数百万円の差が生じます。
ただし、控除額はあくまで「最大」であることに注意が必要です。収入額による控除額が最大控除額に満たない方、あるいはそもそもローンの金額が4,000万円に満たない場合は、実質の金利負担額が最大控除額となります。
特別特定取得における優遇措置
特別特定取得の場合、最大控除額が40万円であることに加え、控除期間が10年から13年に延長されます。ただし、11年目以降の控除額は下記計算のいずれか少ない方が適用されます。
- 年末ローン残高×1%
- 建物の取得価格(上限4,000万円)×2%÷3(最大26.66万円)
このように少ない控除額が適用されるため、仮にローン残高×1%が30万円であったとしても11~13年目の最大控除額は26.66万円となります。
また、この優遇制度は2022年12月31日までに入居しなければ適用さないことに注意が必要です。
優遇措置を受けるには?
注意すべきは「売主が個人である場合」です。
消費増税後の住宅購入であっても、売主が個人である場合は売買に消費税が発生しません。したがって、この場合は特定取得には該当せず、最大控除額は20万円、控除期間は10年間となります。
中古物件の多くは売主が個人であるため注意が必要です。一方、中古物件であってもリノベーション済みの物件など、売主が業者であれば建物価格に消費税が発生するため特定取得に該当することとなります。
また、そもそも住宅ローン控除が適用されるためには以下要件もクリアする必要があります。
- 非耐火建築物(木造等)は築20年以内であること
- 耐火建築物(鉄筋コンクリート造等)は築25年以内であること
- 床面積が40㎡以上であること(所得制限あり)
なお、要件以上の築年数が経過している場合でも、マンションであれば「適合証明書」を取得するなどしてクリアする方法もあります。
また、床面積は40㎡以上となっていますが、所得合計が1,000万円を超える場合は50㎡以上が必要となります。
このように住宅ローン控除は物件や購入者の条件によって適用有無が異なるため、物件検討の際は要件をクリアしているかどうかも慎重にチェックしておきましょう。
購入翌年の「確定申告」を忘れずに
住宅ローン控除を利用するためには、購入翌年の2月16日~3月15日に確定申告を行わなければなりません。会社員の方は普段馴染みのない行政手続きとなるため、不足や不備が無いよう早めに準備しておくことをおすすめします。
住宅ローンに必要な源泉徴収票については、こちらの記事で詳しく解説しています。
おわりに:要件がクリアできるか、物件検討時には慎重にチェックしよう
「特定取得」と「特別特定取得」とは消費増税後の住宅購入のことを指しており、特定取得に該当する場合、住宅ローン控除における年間の最大控除額が40万円に増額、さらに特別特定取得に該当する場合は控除期間が最大13年に延長されるなど、税制面で大きなメリットを享受することができます。
ただし、増税後の購入であっても「売主が個人」である場合は、売買に消費税が発生せず、特定取得には該当しないため注意が必要です。一方で、中古物件であってもリノベーション物件など業者が売主である場合は消費税が発生するため特定取得となります。
なお、住宅ローン控除には築年数や床面積など細かな要件をクリアすることも必要です。住宅ローン控除制度のメリットを最大限享受するためにも、検討物件が要件をクリアしているか、またはクリアする代替方法があるかなど、仲介会社や税務署に相談するなどして慎重にチェックすることをおすすめします。
この記事を書いた人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)
埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。
この記事を監修した人

株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)
千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
趣味は料理、二児の父。