失敗しない不動産売却のコツと考え方とは?

不動産売却で最も大切なことは「仲介会社選びで失敗しないこと」です。
不動産売却は「売却検討〜引渡しまで、概ね3ヶ月が必要」と言われています。その間には複雑な書類取得や難解な行政手続きなど、普段馴染みの無い売却準備を行う必要があります。

また、不動産はマンションや戸建て、収益物件などさまざまな種別が存在します。そして、仲介会社にも不動産種別によって得意不得意があるため「納得いく価格で・スムーズな売却ができるか」もしくは「問題ばかりで不満だらけの売却となるか」のいずれかは、依頼する仲介会社の質や経験値が大きく影響するのです。

悪質な不動産会社は「囲い込み」により、お客様に不利益を与える会社も存在します。
YouTubeでは弊社代表の沢辺が「囲い込み」について、実際に仲介会社に言われた発言や、具体的な囲い込み対策をお話していますのでご覧ください。

本記事の主な内容は以下のとおりです。

  • 不動産売却では知識不足や準備不足による大きなリスクが伴う
  • 仲介会社は「両手取引」を優先する
  • 両手取引の実現のために規則違反をする会社も存在する
  • 「宅建免許番号の数字が大きい会社」と「大手仲介会社」はリスクが少ない

不動産の取引方法や商慣習は一般にはあまり知られていません。そのため、売主にとって最良の判断をするためには「仲介会社がどのように販売活動を進めていくのか」あるいは「不動産査定の際にどのような視点で価格を算出しているのか」など、事前に知識を備えておくことが重要です。

今回は不動産売却を検討されている方に向けて、失敗しない不動産売却のコツや考え方など、不動産取引の基礎知識を幅広く解説していきます。

YouTubeでは、代表の沢辺が「囲い込み」について、実際に仲介会社に言われた発言を含めて詳しく解説しています。囲い込みされないための対策も具体的に4つお話していますので、ぜひご覧ください。

不動産は「安く買って、高く売る」が基本

不動産は住宅やオフィス、物流倉庫や商業施設など様々な種別があり、それら全ては「住む・働く・遊ぶ」といった実際の用途のみならず「投資対象」としての大きな側面があります。
投資は「安く買って、高く売る」ことが基本です。仮にご自宅の売却であったとしても、不動産という「資産」を売却するということは、投資行為における利益確定のタイミングに他なりません。
したがって、「なるべく高く売却すること」が不動産売却の成功を意味する一つの考え方と言えます。

不動産価格は景気情勢や周辺環境の変化の影響を受けやすく、またその変化を想定することは非常に難しいのが実情です。そのため、不動産オーナーとしてできることは現在のマーケットや条件において、なるべく高値で売却できる「環境を整えること」に尽きるのです。

一般消費者にとって不動産取引は何度も経験するものではありません。そのため、不動産売却では仲介会社の言いなりになってしまったり、売却開始後に想定外の支出が発生してしまうなど、知識不足や準備不足による大きなリスクが伴います。

だからこそ、売主自身が不動産取引の基礎知識を備えた上で、誠実で安心・安全な取引の実現を叶えてくれる仲介会社と出会うことが最大のリスク回避策とも言えるのです。

ダメな不動産会社を見分ける方法はこちらの記事で解説しています。

不動産売却時の広告活動をしてもらう方法についてはこちらの記事で解説しています。

仲介手数料の仕組みとは?

不動産取引を知る上では、仲介会社が受け取る「仲介手数料」の仕組みを理解しておくことが重要です。
仲介手数料は法律によって「売買価格の3%+6万円(税別)」が上限金額とされており、売買が成立して初めて発生する、いわゆる「成約報酬型」となっています。

当然、仲介会社にとって「なるべく早く、確実に成約させること」が最大の目的となります。そこで仲介会社が注力するのが「両手取引の実現」です。
不動産取引では、売主・買主のそれぞれに仲介会社が介在する「片手取引」と、売主・買主の間に1社しか介在しない「両手取引」があります・

両手取引の場合、原則的に成約すれば仲介会社は売主・買主双方から仲介手数料を受け取ることができます。本来、売主と買主が利益相反するはずの取引であっても、両手取引は法律による制限は無いため、仲介会社はなるべく両手取引の実現に注力する傾向があるのです。

不動産の販売活動は「レインズ」と呼ばれる登録された業者だけが閲覧することができる不動産検索サイトに掲載され、全国的に広告展開されることが原則です。
しかし、仲介会社の中には両手取引の実現のため、売却開始後も売主に秘密でレインズに掲載せずに非公開にしたり、掲載したとしても他の仲介会社からの問い合わせに応じなかったりと、両手取引実現のために規則違反をする会社も存在するため注意が必要です。

囲い込みやレインズについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事でご覧ください。

リスクの少ない仲介会社

仲介会社は非常に多く存在するため、残念ながら誠実・安全な仲介会社をピンポイントに判断する方法はありません。しかし、以下2つのポイントはリスクの少ない仲介会社として判断して良いと言えます。

  • 宅建免許番号が古い
  • 大手仲介会社である

宅建業免許番号の数字が大きい

一つ目が「宅建業免許番号」で判断する方法です。
宅建業免許番号とは不動産業者が営業を行うにあたり、宅地建物取引業免許を受けて割り振られる番号であり、不動産広告や仲介会社の事務所に掲載されている「宅地建物取引業者票」で確認することができます。

免許の更新期限は5年とされており、更新されるたびに免許番号の()内の数字が増えていきます。この番号が大きい数字であれば長く営業している分だけ仲介会社としての質や経験が担保されていると判断することができ、他仲介会社との比較において一つの有益な判断材料とすることができるのです。

大手仲介会社である

CMなどを展開するような大手仲介会社はほとんどが上場企業あるいは上場企業のグループ会社であり、コンプライアンスには非常に厳しく社内指導されているため、一定の信頼をすることができます。
また、大手ならではの情報網があることや、あらゆる不動産種別に対応できることも魅力の一つと言えます。

しかし、一方では大きな組織であるからこそ柔軟性に欠けていたり、新人が毎年多く配属されるために経験の浅い営業担当者が付く可能性もあるため注意が必要です。

不動産売却の注意点

不動産売却において最も注意すべきは「不動産査定」です。
先述の通り、仲介会社は両手取引の実現を図る傾向があります。両手取引の実現のためには、まずは売却依頼を獲得する必要があるため、不動産査定時に相場よりも高い価格を提示する仲介会社も存在するのです。

売主の立場とすればなるべく高く売却したいため、提示された価格を信じて売却依頼します。ところが当然ながら相場よりも高いため、購入検討者がなかなか現れないために徐々に価格を落としたり、値段交渉によって結局相場価格で成約に至るといったケースがほとんどです。

したがって、単に査定価格だけで依頼先を決定することは非常に危険と言えます。一度仲介依頼してしまうと、それまでの時間や労力に囚われて、依頼先を変更することが心理的に難しくなります。また、そもそも売却検討の初期段階は取引に関する知識が浅い時期でもあるため、特に注意が必要なのです。

不動産査定についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事でご覧いただけます。

おわりに:まずは「リスクの少ない仲介会社」を念頭に依頼先を検討しよう

不動産売却において「納得いく価格で・スムーズな売却ができるか」もしくは「問題ばかりで不満だらけの売却となるか」のいずれかは、依頼する仲介会社の質や経験値が大きく影響します。

不動産取引には「両手取引」と「片手取引」があり、仲介会社はより多くの仲介手数料を得ることができる両手取引を優先する傾向があります。そのため、中には無理を承知で高額な査定額を提示したり、売却開始後に売主に秘密で物件を非公開とするなど、規則違反をする会社も存在します。

この様なリスクを回避するためには「宅建免許番号の数字の大きさ」や「大手仲介会社である」などから判断し、まずはなるべくリスクの少ない仲介会社を念頭に依頼先を検討されることがおすすめです。

この記事を書いた人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)

埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

この記事を監修した人

株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)

千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
趣味は料理、二児の父。

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