住宅ローンは固定と変動、どちらの金利を選ぶべき?借り換え時の注意点も解説

マイホームの購入では、ほとんどの方が住宅ローンを利用しています。そのため各金融機関からさまざまなローン商品が発売されており、金利や付帯サービスもそれぞれ内容が異なるため、どのローンを選択すべきかは非常に悩ましいポイントです。

さらに、ローンを決める際には「変動金利」か「固定金利」のどちらかを選択しなければなりません。
市場金利によって金利が変化する変動金利は、固定金利よりも金利上昇リスクを負うため、融資実行時の金利が低く設定されています。

一方、固定金利は金利が固定されているため返済計画が立てやすい一方で、市場金利が低いまま維持されると、変動金利よりも金利の総返済額が多くなってしまいます。
つまり、どちらも一長一短という点では、金利の選択は住宅ローンを組む上で非常に重要なポイントとなるのです。

下記Youtubeでは、弊社代表の沢辺が「利上げによる影響」について解説しておりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

  • 住宅ローンの金利には「変動金利」と「固定金利」がある
  • 変動金利は固定金利よりも金利が低く設定されている
  • 現在は市場空前の低金利であり、一般的には変動金利が有利と言われている
  • 今回はこれから住宅ローンを利用して購入を検討されている方に向けて、変動金利と固定金利の基礎知識と、将来借り換えをする際の注意点なども含めて詳しく解説していきます。

    住宅ローンの変動金利とは?

    変動金利とは、半年ごとの金利見直しに合わせて適用金利が変動する住宅ローンです。
    ただし、一般的には返済額の変更は5年ごとに行われるため、実際5年間は返済額が変わらず、また「125%ルール」という規律によって、金利見直し後の返済額が仮に前回の130%相当だとしても、前回返済額の125%を上回ることはありません。

    このルールは、急激な金利上昇によって返済不能者が続出し、金融市場が麻痺することを防ぐ狙いがあります。ただし、返済額の増加は125%で留まるものの、実際の増加分が130%であった場合、差額の5%分は次回5年後の見直し時に繰り越されるため、この点には注意が必要です。

    住宅ローンの固定金利とは?

    固定金利は、借入期間中の金利が一定で固定される住宅ローンです。
    金融機関によって、5年固定や10年固定、20年固定など限定した期間の商品も存在しており、期間が長ければ長いほど借入時の金利は高く設定されることが通常です。

    固定金利は返済額が変わらないため、資金計画が立てやすいというメリットがあります。
    しかし、金利上昇リスクが低い分、そもそも金利が高く設定されているため、実際に市場金利が低いまま維持された場合は変動金利よりも金利の返済額が多くなります。

    今から住宅購入するなら、固定か変動金利かどちらを選ぶべき?

    一概には言えませんが、現時点では「変動金利」の選択がおすすめです。
    変動金利と固定金利の判断材料としては「金利上昇リスク」が最大のポイントとなります。

    • 変動金利:金利変動リスクは借主(ローン返済者)が負う
    • 変動金利:金利上昇リスクは貸主(金融機関)が負う

    そもそも金利上昇リスクとは、「将来住宅ローンの金利が上がるかどうか」ということです。
    住宅ローンの金利は「短期プライムレート」と呼ばれる市場金利によって決定され、現在はこの市場金利が非常に低い状況です。
    仮に固定金利1.5%で住宅ローンを組み、10年後の金利が2パーセントとなった場合、上昇した0.5%分の金利負担は金融機関が負うことになるため、結果的に固定金利が有利であったと言えます。

    一方、変動金利1%で住宅ローンを組み10年後の金利が2パーセントとなった場合、金利上昇を自らが負担するため、固定金利1.5%で組むよりも不利となりますが、仮に金利が1%のまま維持、あるいはさらに低下した場合は、変動金利が有利となるのです。

    現在は史上空前の低金利

    現在、日本の金利は史上空前の低金利と言われています。それを証拠にネット銀行をはじめとする住宅ローンの変動金利は、今や0.3%台にまで低下しています。

    さらに、あくまで想定ではありますが、日本の経済状況を考慮すると今後急激・大幅な金利上昇があるとは考えづらい状況です。そのため、結果的になるべく低金利で借入れできる変動金利を選択する方が、金利負担額の総額は低く抑えることができると判断されるのです。

    さらに、借入期間が長ければ長いほど金利上昇リスクは増大します。したがって、繰越返済により返済リスクをなるべく少なくする、あるいは可能であればそもそも借入期間を短くすることによって金利上昇リスクを低減でき、超低金利である変動金利のメリットをさらに活かすことができるのです。

    借り換えをするときの注意点

    ローンを組んだ時よりも金利が低い場合、借り換えすることによって月々の返済額を抑えられる可能性があります。
    ただし、借り換えをする際には下記ポイントに十分注意しなければなりません。

    • 完済手数料や新たな保証料など各種手数料が発生するため、金利差との慎重なシミュレーションが必要
    • 融資の再審査を受ける必要があり、他の借入状況によっては融資金額が引き下げられる可能性がある
    • 健康状態が悪化していた場合、団体信用保険に加入することができず借り換え自体ができない可能性がある

    借り換えによるメリットの有無は、単に金利だけで判断することはできません。手数料とのバランスや借り換え時の健康状態・借り入れ状況によっては現在のローン条件を継続した方がかえって良い場合もあります。借り換えを検討する際は綿密なシミュレーションが必要であるため、金融機関へ具体的に相談されることをおすすめします。

    また、住宅ローンを組む前に確認しておきたいのが年収と返済可能額の目安です。ぜひあわせてご覧ください。

    おわりに:現時点では変動金利の選択がおすすめ

    住宅ローンは各金融機関からさまざまなローン商品が発売されており、どの商品を選択すべきかは非常に悩ましいポイントです。

    さらに、金利には「変動金利」と「固定金利」があります。金利上昇リスクがある変動金利の方が金利が低く設定されている一方で、固定金利も金利上昇リスクが無いため返済計画が立てやすいというメリットがあります。

    どちらの選択が正しいかは、今後の社会情勢および「短期プライムレート」と呼ばれる市場金利によって答えが異なるため一概に判断することはできません。

    ただし、日本の経済状況を考慮すると今後急激・大幅な金利上昇があるとは考えづらい状況であるため、なるべく低金利で借入れできる変動金利を選択した方が、結果的に金利負担額は低く抑えることができると考えられます。

    この記事を書いた人

    スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)

    埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
    宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

    この記事を監修した人

    株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)

    千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
    自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
    趣味は料理、二児の父。

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