住みはじめてから後悔しないマンションの間取りとは?ケース別の理想の間取りを解説

物件選びで重要な判断材料となる「間取り」。
立地や築年数よりも、間取りを先にイメージしてから物件探しを始める方や、結果的に間取りが気に入ったことで購入を決めるといったケースも珍しくありません。
最近の新築マンションでは可変性のある住戸の商品化がトレンドになっていることからも、間取りニーズの多様化や間取りに対する顧客の重要度が増していることがうかがえます。
ちなみにYoutubeでは、弊社代表沢辺が「買ってはいけない中古マンション」を項目別に解説しておりますので、あわせてご覧ください。
本記事の主な内容は以下のとおりです。
- マンションの間取りは大きく分けて3つある
- 住戸間口によって採用される間取りタイプが分かれる
- 間取りは家族数やライフスタイルに合わせて選択することが重要
間取りは家族数やライフスタイルにしっかりマッチしたものを選ぶ必要があります。
今回は住み始めてから後悔しないマンションの間取りについて、ケース別の理想の間取り紹介を交えながら解説していきます。
目次
マンションによくある間取り
マンションの間取り構成には下記のように大きく分けて3つのタイプが存在しています。どのタイプで造られるかは、建物の形状や建築するデベロッパーの商品コンセプトにより決定されます。
- 縦長リビングタイプ
- 横長リビングタイプ
- センターリビングタイプ
縦長リビングタイプ
バルコニー面に対して縦長のリビングと1つの居室が面しているタイプです。
縦長リビングのメリットは「居室の採光が取りやすいこと」と「比較的に経済合理性に優れていること」です。
マンションは同じ階に複数の部屋を並べて造られています。
限られた敷地の中で建物を合理的に建築し、さらに販売住戸を増やすためには、部屋の間口をなるべく狭くして、たくさんの部屋を敷き詰めることが有利とされています。
ただし、あまり狭くしてしまうと居室が狭くなりすぎたり、規格が決まっているキッチンが入らない場合もあるため、70㎡前後の3LDK住戸の場合、少なくとも5.8m程度の間口を確保することが一般的となっています。
3LDKの場合、部屋の奥行との兼ね合いや採光面の理由から、必然的に縦長リビングタイプが多く採用されています。間口が狭い横長リビングタイプも存在しますが、その場合は居室が狭いか、あるいはキッチンの寸法が通常よりも短いなど、何らかのデメリットがある可能性が高いです。
横長リビングタイプ
バルコニー面に対してリビングだけが面しているタイプです。
先ほどの縦長リビングタイプよりも間口が必要となり、70㎡前後の3LDKの場合は6.2m以上が必要と言われています。
リビングに開放感があるため人気である一方、リビングに隣接する居室は独立性が低くなる傾向があり、間数の確保という点ではやや難ありと言えます。
センターリビングタイプ
バルコニー面に対して、リビングと2つの居室が面しているタイプです。
横長リビングよりもさらに住戸間口が必要となり、少なくとも8m程度となるため物件としての希少性は非常に高いと言えます。
さらに、採光面や各居室の独立性も確保されているため、特にファミリー層を中心に人気を集めています。
ケース別にみる理想的な間取り
間取りは家族数やライフスタイルに合わせて選択することが重要です。
それぞれのケース別に理想的な間取りをご紹介します。
子育てファミリー
子育てファミリーやプレファミリーの方々には、3LDK以上の間数を重視した間取り選択がおすすめです。
2人以上のお子様がいる場合は、縦長リビングタイプの3LDKがおすすめです。各居室の独立性が確保されていることに加え、将来バルコニー面の居室を使わなくなった場合はリビングと一体にリフォームするなど、ライフステージに合わせた使い方が可能です。
夫婦共働き(DINKs)
夫婦共働きには2LDKあるいは3LDKがおすすめです。
2LDKは基本的に横長リビングで設計されており、開放的なリビング空間を楽しむことができます。忙しい2人だからこそ、仕事後や休日はのんびり贅沢な時間を過ごしたいものです。
また、最近では在宅勤務の増加により、自宅に在宅スペースを確保することを理由に3LDKを購入される方も多くなっています。3LDKは2LDKよりも比較的に流通性が高く、資産性を重視される場合もおすすめの間取りと言えます。
ご高齢夫婦
ご高齢夫婦には2LDK住戸がおすすめです。
2つの居室をそれぞれの寝室として使うも良し、時には来客用として使うも良し、1つを趣味の部屋として使うも良し、複数の間数があれば様々なスタイルに対応することが可能です。
こんな間取りは避けたほうがいい例
マンションはなるべく販売住戸を多くとるために「不利住戸」と言われる悪条件の住戸が発生することがあります。
売主としても条件面を考慮した価格設定をするため、金銭的なメリットはあるものの、その代わりに住んでから後悔するリスクもあるため十分な注意が必要です。下記はその代表例ですので覚えておきましょう。
- 極端に居室が狭い
- 廊下が長い
- バルコニー対面に住戸や廊下がある
ファミリー需要が多いエリアでは、間数を確保するために極端に狭い居室や、法律上の採光条件をクリアしていない「サービスルーム」を設けている物件があります。
また、住戸間口が狭い部屋は廊下が長くなる傾向があり、表記されている住戸面積よりも居室として使える有効面積が他の住戸と比べて少ない場合もあるため注意が必要です。
一番避けるべきは、バルコニー対面が他の住戸のバルコニーとなっている「ご対面住戸」や、バルコニーがマンションの開放廊下の至近に位置しているような住戸です。
マンション内でも格段に販売価格が安く設定されていますが、常に視線を心配しながら生活しなければならず、さらに物件としての流通性も低いため購入することは賢明とは言えません。
こちらの記事では、中古マンション購入時にやりがちな失敗と対策を解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
おわりに:将来のライフステージを見据えた間取り選択が重要
マンションの間取りには大きく分けて「縦長リビングタイプ」「横長リビングタイプ」「センターリビングタイプ」の3つのタイプがあり、建物の形状や建築するデベロッパーの商品コンセプトにより決定されています。
どの間取りタイプが良いかは、それぞれの家族数やライフスタイルによって大きく異なります。
購入する際は、ご自身の現在のライフスタイルに加え、将来のライフステージや売却の可能性も見据えた上で選択することが重要です。
この記事を書いた人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)
埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。
この記事を監修した人

株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)
千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
趣味は料理、二児の父。