マイホームを購入する手続きのなかで、最後の手続きとなるのが「金消契約」です。では、金消契約とはどのような契約なのでしょうか?また、住宅ローン契約はどのような流れで行われるのでしょうか。
- マイホーム購入における住宅ローンの借入契約が金消契約に該当する
- 口頭でも成立する不要式契約ではあるが、契約書を取り交わすのが一般的
- 住宅ローン契約は事前審査、本申込、金消契約の流れで行われる
- 金消契約の所要時間は1時間程度だが、契約書の内容をしっかりと確認することが重要
この記事では、マイホーム購入の際の住宅ローン契約にあたる金消契約について、その内容や流れを分かりやすく解説していきます。
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目次
金消契約とは?
- 金消契約とは「きんしょうけいやく」と読み、「金銭消費貸借契約」の略語である
- マイホーム購入における金消契約に該当するのは、住宅ローンの契約
- 銀行や消費者金融とのキャッシングローン契約も金消契約の1つ
- 金消契約は、典型契約、要物契約、不要式契約、有償契約、片務契約に該当する
- 不要式契約ではあるが、契約書を取り交わすのが一般的
はじめに、金消契約の定義についてご説明していきます。
金消契約とは
金消契約とは「金銭消費貸借契約」の略語であり、将来における返済を約束した上で、金銭を消費するために借り入れを行う契約のことです。マイホーム購入に関する住宅ローンの契約だけではなく、一般的には銀行や消費者金融とのキャッシングローン契約のほうが馴染み深いかもしれません。
金消契約は、要物契約かつ不要式契約ですが、一般的には、後のトラブル回避のために、金銭消費貸借契約書または借用証書が作成されます。住宅ローンの契約においても、マイホーム購入者と住宅ローンの借入先金融機関とで金銭消費貸借契約書が作成され、両者が1通ずつ保管することになっています。
要物契約とは?不要式契約とは?
契約の種類は多岐に渡りますが、典型契約と非典型契約(民法に規定されているか否か)、要物契約と諾成契約(引き渡しが必要か否か)、要式契約と不要式契約(契約書などが不要でも成り立つか否か)、有償契約と無償契約(有償か否か)、双務契約と片務契約(当事者が負担をするか否か)の5つに性質に分類することができます。
なお、金消契約は、典型契約、要物契約、不要式契約、有償契約、片務契約になりますが、口頭でも成立する不要式契約であっても、トラブル回避のために契約書が作成されます。
また、双務契約は有償契約と紐づき、片務契約は無償契約と紐づくのが一般的ですが、金銭消費貸借契約は利息が発生する消費貸借契約ですから、有償契約と片務契約が結びついている特殊な契約となっています。
金消契約の主な項目
住宅ローンの金消契約書に記載される内容にはどのようなものがあるのでしょうか。確認していきましょう。
一般的な記載内容
一般的には、①契約日、②貸主と借主の住所・指名・押印、③貸付日、④貸付金額、⑤利息、⑥返済方法、⑦返済期日、⑧遅延損害金、⑨期限の利益喪失事由が記載されます。
なお、⑨期限の利益喪失事由における「期限の利益」とは、「一定期間内に一定のペースで返済をしてよい」という内容を指しますが、この「期限の利益」あくまでもきちんと最後まで返済を続けてくれるからこそ担保されるものです。つまり、返済が滞ったり、契約者が破産した場合には「期限の利益」が失われ、一括返済を求められることになるのです。この、「返済が滞った場合」や「契約者が破産した場合」などが、喪失事由として記載されることになります。
必要に応じた記載内容
その他、①貸付の実行の方法、②貸付の実行の前提条件、③保証人や担保設定に関する定め、④借主の表明や保証、⑤借主の財務制限条項、⑥貸付債権の譲渡の可否や方法に関する定め、⑦貸主が複数の場合における意思決定に関する定めなどが記載されますが、この内容は金融機関によって異なるため、記載内容とその意味合いを十分に理解しておきましょう。
住宅ローン契約の流れと準備するもの
「何千万円も借りる契約なんだから、事前にいろいろと準備が必要よね?」
「たしかに。きっと契約時間も何時間もかかるんだろうな…」
「住宅ローンの事前審査とか本申込は、何のためにやったんだろうね?」
「うーん、今回の契約の事前準備だとは思うけど…」
マイホームの購入は、一生に一度ともいえる大きな金額の買い物でもあり、現金で一括払いというわけにはいきません。そのため、マイホームの購入と同時に、住宅ローン契約についても、同時並行で行うことになります。
ここでは、住宅ローン契約の流れと準備すべきものを説明していきます。
住宅ローン契約の流れ
住宅ローン契約の大きな流れは、事前審査、本申込、そして金消契約の流れです。
事前審査は、契約者自身の年収や借り入れ状況などから、その程度の住宅ローンを組むことができるかの簡易的な審査を行います。簡易的な審査であることから、どの金融機関で行っても問題はありません(ただし、事前審査を行った金融機関で、そのまま本申込をした方が融資はスムーズです)。
本申込においては、契約者自身の情報だけではなく、購入を希望する物件についても厳密な審査が行われます。なぜ購入希望物件の審査が行われるかといえば、万が一返済ができなくなったときの担保としての価値が、その物件に備わっているかを確認する意味合いがあります。
本申込に通過して初めて、金消契約を結んで融資実行という流れになります。
中古マンション購入時の申し込みから入居までの流れについてはこちらの記事で解説しています。
金消契約の前に準備すべきもの
金消契約の事前に準備すべきものは多岐にわたるため、余裕をもって準備しておくべきといえるでしょう。以下、必要書類を列挙します。
本人確認資料(運転免許証やマイナンバーカードなど)、健康保険証、売買契約書、実印、返済用の預金口座の通帳、返信用の預金口座の届出印、収入印紙、印鑑証明書(発効後1ヶ月以内)、住民票(発効後1ヶ月以内)、抵当権設定のための書類、火災保険関係の書類などです。
必要書類は、不動産会社や金融機関がチェックリストなどを使ってサポートしてくれるはずですが、金融機関によって書類が何部必要かなども異なる可能性があるため、あらかじめ確認しておくべきでしょう。
金消契約当日に行うことと所要時間について
金融機関で金消契約を行うのは契約者本人ですが、基本的には金融機関の営業日に合わせることになるため、平日の契約となります。金融機関によっては、土日も金消契約を受けている住宅ローンセンターのような専門店舗を設けている場合もあるため、あらかじめ確認しておくべきでしょう。
金消契約時には、契約書の内容をしっかりと確認しておきましょう。特に「借入額」「借入年数」「金利」などを確認しておくことが重要です。
なお、金消契約の所要時間はさほど時間はかからず「1時間程度」ではありますが、契約書の内容を確認したり、重要事項の説明なども行われるため、余裕をもって臨むべきといえるでしょう。
おわりに:金額が大きな住宅ローン契約は事前準備を綿密に行いましょう
マイホームの購入には欠かすことができない住宅ローン契約ではありますが、一生に一度の大きな買い物です。事前準備を厭わず、契約書に記載してある内容をしっかりと確認することが、後の安定的な返済につながるといえるでしょう。
この記事を監修した人

宅地建物取引士小林弘卓
長野県軽井沢生まれ、群馬県高崎市育ち。教員免許を取得したのち、教育関係の仕事に従事も、現場にて母子家庭や貧困家庭を目の当たりにし、何か役に立つことはできないかと決起。ファイナンシャルプランナー2級およびAFP、宅地建物主任者の資格を取得後、家計のやりくりから投資運用などお金のアドバイスだけではなく、様々なお悩み事を第3者の視点でアドバイスすることを目的とした「トータルアドバイズ」代表として活動。九星気学鑑定士としての人生相談も好評を得ている。