小規模マンションと大規模マンション、住むならどちらがおすすめ?選び方やそれぞれのメリット・デメリットも解説

マイホームとしてマンションを購入する場合、都心の湾岸エリアや駅周辺に建てられた大規模なタワーマンションに憧れを抱く方も多くいらっしゃると思いますが、閑静な住宅街にひっそりとたたずむ小規模な低層マンションも、実は根強い人気があります。では、そんな小規模マンションと大規模マンションでは、どちらがおすすめなのでしょうか。
この記事では、マンションの定義を4つに分類した上で、それぞれのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
タワーマンションのメリットについては、弊社代表の沢辺が解説するこちらの動画もご覧ください。
目次
小規模マンションとは?大規模マンションとは?
「都心のタワーマンションから夜景を見下ろすなんて、最高よね…」
「そうかい?災害時にはエレベーターが停まって大変だったって話もあったけど?それより高級住宅街に建てられたマンションのほうがお洒落で住みやすそうじゃない?」
「えー?それならマンションに住む必要無いわよね?一戸建てでいいじゃない?」
「あー、まぁたしかにそうか…一体どっちのほうがいいのだろうね?」
- 小規模マンションと大規模マンションの定義は、戸数と階層
- 建てられるマンションのタイプは、建築基準法によって大きく異なる
- 低層型の小規模マンションおよび多棟型の大規模マンションは、住環境がメリット、立地がデメリット
- 中高層型の小規模マンションおよびタワーマンション型の大規模マンションは、立地がメリット、住環境がデメリット
小規模マンションと大規模マンションにはそれぞれの魅力がありますが、まずはそれぞれの定義や分類から確認していきましょう。
小規模マンションと大規模マンションとの区別は総戸数による
実は、小規模マンションと大規模マンションとを分ける明確な定義はありませんが、マンションの総戸数によって、小規模マンションか大規模マンションかの区別をしているケースが多いといえます。そして、50戸以下が小規模マンション、50戸を超える場合に大規模マンションとされるのが一般的です。
また、小規模マンションは低層型と中高層型に分類され、大規模マンションは多棟型とタワーマンション型に分類されることが多いといえます。
低層型の小規模マンションは閑静な住宅街に建てられ、中高層型の小規模マンションは駅近くに建てられることが多いといえます。また、多棟型の大規模マンションは閑静な住宅街や駅からも離れている場合が多いですが、商業施設や公園などが併設されることがあります。逆に、タワーマンションは駅直結であったり、湾岸エリアなど、都心に建てられることが多いといえるでしょう。
建築基準法によって建てることができるマンションが異なる
建築基準法で制限される内容は、都市計画や用途地域によって異なりますが、具体的には、容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合の上限)、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合の上限)、高さ制限、日影制限などが挙げられます。基本的には用途地域によって建てることができるマンションの階数が制限されていると考えればよいでしょう。
用途地域には13種類ありますが、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域の7つに、新設された田園住居地域を加えたものが居住用の地域といえるでしょう。
建築の制限については、第一種低層住居専用地域が一番厳しく、準住居地域が一番緩いといえます。たとえば、第一種低層住居専用地域では高さ制限が10m(もしくは12m)となるため、3階建てのマンションを建てるのが精いっぱいとなる一方で、準住居地域は国道や幹線道路沿いが指定されることが多く、ホテルやボーリング場などのレジャー施設を建築することも可能であるため、階数の制限は受けません。
小規模マンション・大規模マンションそれぞれのメリット・デメリット
先に挙げた4種類のマンションについて、それぞれのメリットとデメリットを確認していきましょう。
低層型と中高層型などの小規模マンションのメリット・デメリット
低層型の小規模マンションは、高層マンションが建てられないような閑静が住宅街に建てられていることが多く、住環境は抜群です。3階建て程度のマンションが多く、専用庭やルーフバルコニーが設けられている場合もありますが、必然的に、商業施設まで距離があったり、駅から遠い場所であることがデメリットといえます。また、高さを抑えるために横長に建築されたマンションの場合、角部屋が少なく、エレベーターが無い場合もあるというデメリットが挙げられます。
中高層型の小規模マンションは、駅近などに建てられ、商業施設までの距離が短いことが大きなメリットとなりますが、周囲の住環境については妥協する部分が多くなるといえるでしょう。駅に近いことで治安が悪かったり、騒音が気になったり、学校までの距離が遠くなってしまうというデメリットがあります。
多棟型とタワーマンション型などの大規模マンションのメリット・デメリット
多棟型の大規模マンションの場合、マンションが建てられることで周辺に商業施設や公園が設けられたり、マンションの1階部分にコンビニやクリニックができたりと、日常生活が便利であるというメリットがあります。価格も割安であることが多く、家族間交流も盛んであったりするため、家族連れや住みやすい環境といえるでしょう。一方で、建築のためにはそれなりの敷地が必要となるため、郊外や駅から遠くなることが多いことがデメリットになるでしょう。
タワーマンション型の大規模マンションの場合、駅近であることが多く、眺望だけではなく、日当たりの良さも大きなメリットです。その他、耐震構造や免震構造に優れていること、コンシェルジェやゲストルーム、ジムなどのサービスが充実していることもメリットといえるでしょう。デメリットはエレベーターの待ち時間が長いことや、予備電源はあるものの、電力が停まった場合には甚大な被害となることなどが挙げられるでしょう。
選ぶなら小規模マンション・大規模マンションどっちのマンションがいい?
低層型と中高層型の小規模マンションと、多棟型とタワーマンション型の大規模マンションについて、マンションを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
- 住環境を重視するなら低層階の小規模マンション
- 駅近くなど交通の利便性を重視したいなら中高層型の小規模マンション
- 予算を抑えた上で、家族との生活を重視したい方は多棟型の大規模マンション
- 眺望や日当たり、好立地で優雅な生活を満喫したい方はタワー型の大規模マンション
それぞれにメリットとデメリットが混在するため、ご自身の家族や生活スタイルに合わせたマンション選びが重要となりますが、それ以外にもマンション選びにはポイントがあります。
戸数が多いほど柔軟性が減ることに注意する
マンションには管理組合があり、管理規約が決められていますが、大規模なマンションになればなるほど、管理規約の変更が難しくなります。
たとえば、ペット不可のマンションをペット可のマンションに変更する場合などには、マンションの管理規約を変更する必要がありますが、規約の変更には、区分所有者の過半数や議決権の4分の3以上の賛成が必要と決められていることが多く、戸数が多くなればなるほど、柔軟性に乏しくなるといえるのです。
つまり、大規模マンションは時代に即して管理規約を変更するなどの柔軟性に乏しいといえますが、言い方を変えれば、建設時の取り決めが安易に変えられることが無く、安定した生活を送れるともいえるのです。
将来の資産価値を考えて購入する
2021年4月現在においては、アベノミクスから始まる大規模金融緩和が依然として継続しており、マイホームの購入に際しては、住宅ローンを超低金利で借りることができるという恩恵を受けることができています。そのため、マンションを始めとする不動産の価格は高騰していますが、居住スペースとしてだけではなく、将来の資産としての価値にも注目しておくべきでしょう。
一戸建ては経年劣化により一世代で建物部分がほぼ無価値となり、土地のみに資産としての価値が残るだけではなく、立地によっては誰も住むことが無い空き家が残ることになり、場合によっては負の遺産となって子供たちへ受け継がれる可能性があります。
その一方で、駅近くや都心などに建設されたマンションは値下がりしづらいと言われており、資産としての価値が高いため、将来的に売却したり賃貸物件として貸し出すことで、自身は住み替えを行って、老後の生活を満喫することができたり、遺産として子供たちに残すこともできるでしょう。
おわりに:マンションといっても多種多様である
ひとえにマンションといえども、その個数と階層の高さによって、メリットやデメリットは大きくことなることがお分かりいただけたと思います。
生活拠点であるマイホームとしての価値だけではなく、将来のライフプランを考える中で、住み替えなどの資産構築の意味合いも考えながら、自分に最もふさわしい種類のマンションを購入すべきといえるでしょう。
この記事を監修した人

宅地建物取引士小林弘卓
長野県軽井沢生まれ、群馬県高崎市育ち。教員免許を取得したのち、教育関係の仕事に従事も、現場にて母子家庭や貧困家庭を目の当たりにし、何か役に立つことはできないかと決起。ファイナンシャルプランナー2級およびAFP、宅地建物主任者の資格を取得後、家計のやりくりから投資運用などお金のアドバイスだけではなく、様々なお悩み事を第3者の視点でアドバイスすることを目的とした「トータルアドバイズ」代表として活動。九星気学鑑定士としての人生相談も好評を得ている。