節税効果抜群!マンション購入時に確認すべき耐震基準適合証明書について

耐震基準適合証明書は、建物の耐震性が建築基準法で定められた耐震基準を満たしているかどうかを証明する住宅関連の書面ですが、この証明書で、様々な減税措置を受けることができます。
そんな耐震基準適合証明書に関するポイントは、以下のとおりです。
- 耐震基準適合証明書の発行のためには、原則、建物の引き渡し前までに実施調査が必要
- 1981年6月以降に着工した物件であることなど、大まかな要件あり
- メリットは、登録免許税や不動産取得税など、多岐に渡る減税措置
この記事では、住宅における耐震基準適合証明書についての概要と、マンションで証明書を取得する場合の注意点について、詳しくご説明していきます。
目次
耐震基準適合証明書とは?
「あらかじめ耐震基準を確認しておいて良かったわね!」
「そうだね!中古マンションだけど安心して暮らせるよね。地震がいつくるか分からないもんね。」
「それに、耐震性を証明する書類を提出すれば、いろいろな節税効果があるんだってよ!」
「そうなの?でも、証明書っていつもらうんだっけ?」
耐震基準適合証明書は、建物の耐震性を証明する書面ですが、手に入れるためにはどうしたらよいのでしょうか?取得方法や適用要件についても、ご説明していきます。
耐震基準適合証明書は建物の引き渡し前に取得する必要あり!
様々な節税効果を生む耐震基準適合証明書ですが、取得に関して気を付けなければならないのは、「建物の引き渡し前までの2年以内に実地調査を行って、証明書を入手する必要がある」ことです。しかしながら、「契約不適合責任保険証」や「性能評価(耐震)」など、各機関が発行する証明書があれば、同等な役割を持つため、改めて耐震基準適合証明書を発行する必要はありません。
また、建物の引き渡し前までに証明書を取得できなかった場合であっても、売買契約成立後に耐震基準適合証明書の申請を行い、建物の引き渡し後に耐震改修を行う場合に限って、耐震基準適合証明書を発行することができます。
ただし、マンションなどはすでに建物が完成済であることが多いので、あらかじめ、証明書の取得がなされているかについて、確認しておく必要があります。
耐震基準適合証明書を発行できる機関と必要書類、発行の流れとは?
耐震基準適合証明書については、以下の機関で発行が可能です。
- 指定確認検査機関
- 登録住宅性能評価機関
- 建築士事務所に所属する建築士
- 住宅瑕疵担保責任保険法人
また、発行に必要な書面は、以下のとおりです。
- 検査登記事項証明書写し または 建物登記事項証明書の写し
- 物件状況等報告書
- 台帳記載事項証明書 または 検査済証の写し
- 販売図面
基本的には、買主が発行の依頼をしますが、不動産会社がサービスで取得してくれる場合もあります。発行費用は安ければ数万円、高い場合は10万円前後する場合もあるようですが、減税効果と比較しながら必要な部数を発行してもらいましょう。
耐震基準適合証明書が発行できる物件の要件とは?
耐震基準適合証明書が発行できる物件の要件としては、大まかには以下の観点があります。
なお、マンションの耐震診断については高額である上、実施の際には管理組合などにも相談する必要があるため、独自の判断で安易に行えないことがお分かりいただけると思います。
耐震基準適合証明書を取得するメリット
耐震基準適合証明書を取得することで、複数の減税措置を受けることが一番のメリットといえますが、具体的にどのような減税措置があるのが、確認していきましょう。
なお、以下に列挙する減税措置については、2022年(令和4年)3月31日までが対象とされる措置が多いため(2021年2月現在。さらに延長の可能性あり)、今後、住宅を購入する際に適用されるかどうかについては、あらかじめ確認すべきでしょう。
登録免許税の軽減
登録免許税については、購入した住宅を登記する際の登記費用です。登録免許税の軽減を受けるためには、市区町村が発行する「家屋証明」が必要となりますが、この証明書を発行するための添付書類です。具体的には、登記業務を依頼することになる司法書士に「家屋証明」を提出することで、登録免許税が軽減されることになります。
免税額については、所有権保存登記(新築物件の登録)に関しては、通常は固定資産税評価額の0.4%であるところ、0.15%~0.1%へ減税、所有権移転登記(中古物件の権利移行)については、固定資産税評価額の2%であるところ、0.3%~0.1%へ減税されます。
不動産取得税の軽減
不動産取得税については、物件購入時に課される税金ですが、1982年以降の建築の建物であれば自動的に不動産取得税の軽減を受けることができます。それ以前に建築された物件の場合には、耐震基準適合証明の提出が必要になります。
免税額については、通常は固定資産税評価額の4%であるところ、3%へ減税されます。
固定資産税評価額について
固定資産評価額については、建物の築年数なども配慮されるものですが、物件価格の7割程度であると考えれば良いでしょう。つまり、価格が3,000万円の物件については、約2,100万円が固定資産評価額であると考えれば、1%の減税であっても21万円にも及ぶことになります。
その他のメリット
その他、住宅ローン控除の対象拡大や、住宅取得資金の贈与税に関する非課税限度額が増額、固定資産税の軽減措置などのメリットを受けることもできます。
例えば、住宅ロ―ン控除については築年数の制限があり、「非耐火住宅(木造戸建て)であれば築20年以内、耐火住宅(コンクリート建て)であれば築25年以内」であることが必須とされていますが、これらの築年数を満たしていない場合でも、耐震基準適合証明書が発行されていれば、住宅ローン控除を受けることが可能です。
不動産登記と耐震基準適合証明書の話もあわせてご覧ください。
おわりに:1981年前後に建てられた物件は要注意!
耐震基準適合証明書は、住宅関連の減税を受ける際の要件となっていますが、減税を措置は多岐に渡るため、多くのメリットを受けることができます。
ただし、新耐震の耐震基準を満たしていない中古マンションなどを購入する場合には、独自で耐震基準適合証明書を発行する要件を満たすことは困難です。あらかじめ耐震基準適合証明書が発行できる物件であるかを確認した上で、購入の検討を進めましょう。
この記事を監修した人

宅地建物取引士小林弘卓
長野県軽井沢生まれ、群馬県高崎市育ち。教員免許を取得したのち、教育関係の仕事に従事も、現場にて母子家庭や貧困家庭を目の当たりにし、何か役に立つことはできないかと決起。ファイナンシャルプランナー2級およびAFP、宅地建物主任者の資格を取得後、家計のやりくりから投資運用などお金のアドバイスだけではなく、様々なお悩み事を第3者の視点でアドバイスすることを目的とした「トータルアドバイズ」代表として活動。九星気学鑑定士としての人生相談も好評を得ている。