独身・単身者のマンション購入|知っておくべき5つの注意点

単身者のマンション購入、
「審査が通るか不安・・・」
「適切な物件サイズがわからない・・・」
「将来の売却のことも考えると判断に迷う・・・」
といった悩みをお持ちではないでしょうか。

この記事では、以下のことがわかります。

  • 単身者の住宅ローン審査の実態と誤解
  • 購入時に最低限クリアすべき条件
  • 将来の売却も見据えた物件選びのポイント

不動産営業や金融機関での実例を交えながら、単身者が注意すべきポイントを解説していきます。

また、Youtubeでも、宅地建物取引士の資格を持つ弊社代表の沢辺が本テーマについて、より詳しく解説中ですのであわせてご覧ください。

意外と多い!単身者の持家比率

単身者の持家比率は、男女ともに予想以上に高い数値を示しています。統計によると、単身男性の持家比率は51.9%、単身女性は68.1%となっており、特に女性の割合が高くなっています。
※総務省全国消費実態調査より

2009年から2014年にかけての推移を見ると、男女とも約10%ずつ増加しており、この傾向は現在も続いていると考えられます。

マンション購入時の5つの重要な注意点

1. ローン審査に関する誤解を知る

「単身女性だから住宅ローンは厳しい」という説明を受けることがありますが、これは誤りです。


国土交通省『令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査』より

国土交通省の調査によると、金融機関の審査項目において性別を考慮している割合は21.2%に過ぎません。

【具体例】 40代・フリーランス女性の事例

  • 他社では「無理」や「フラット35(金利1.9%)しか選択肢がない」と言われていた
  • 実際は大手企業との長期取引実績があり、審査通過
  • 優遇金利も適用され、金利が1%以上下がった

審査で実際に重視されるのは

国土交通省『令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査』より

  • 完済時の年齢(98.7%の金融機関が考慮)
  • 健康状態(97.9%の金融機関が考慮)
  • 借入時の年齢(97.2%の金融機関が考慮)
  • 住宅ローンの対象になる物件の担保評価(96.1%の金融機関が考慮)など

2. 家族との審査基準の違い

単身者の場合、同じ年収や勤務先でも、家族がいる場合と比べてほんの少し厳しく審査されるケースがあります。これは住宅ローンが元々、家族での購入を想定して設計された商品であることが背景にあります。家族がいる方が安定的な返済が期待でき、仕事を辞めにくく、継続的な返済が見込めるという考えがあるためです。

3. 最低限の広さ要件

30平米未満の物件は、多くの金融機関で住宅ローンの対象外となります。
その理由は

  • そもそも担保評価が低い
  • 投資目的での購入が疑われるリスク

住宅ローンは「実際に住む目的」で設計された商品のため、投資目的での利用は違法です。そのため、極端に狭い物件(17平米など)の購入申請は、「本当に居住目的か?」と疑われる可能性が高くなります。
※例外として、りそな銀行では狭小物件でも融資実績があるケースもありますが、最新の情報を確認する必要があります。

4. 住宅ローン控除の条件

住宅ローン控除は、家族向けを想定して設計された制度です。マンションの場合、原則として50平米以上の広さが必要です(新築の場合のみ40平米以上に緩和されることもあり)。

重要なのは登記上の面積確認です。

  • 内法(うちのり):登記上の面積(柱の部分を除いた実際に使える面積)
  • 壁芯(へきしん):パンフレットなどに記載される面積(柱の部分を含む面積)

例えば、壁芯で50.96平米の物件でも、登記上は48平米台になることがあります。必ず登記上の面積を確認しましょう。
将来の売却を考えると、50平米台の物件は1人暮らしから3人世帯まで対応できるため、売却時のターゲットが広がります。

5. 将来を見据えた物件選び

将来の売却や賃貸を考慮して、以下の点に注意が必要です。
内装の改修について

  • 壁を塗装してしまうと、賃貸・売却時に不利になる可能性あり
  • 壁紙の張り替えは比較的容易
    (くらしのマーケットで職人を探すことも可能)
  • なるべく個人の好みが強く出ない内装を選択

参考:くらしのマーケット

その他の注意点

  • 使いやすい間取りを選ぶ
  • 間取りの変更が可能な物件を選ぶ(間に廊下がなく、部屋同士を繋げられる等)
  • タバコの喫煙は換気に十分注意する
    (ヘビースモーカーの場合、ニオイが取れにくい)

まとめ:単身者のマンション購入成功のポイント

重要ポイント

  • 単身者(特に女性)だからという理由で、安易に審査を諦めない
  • 登記簿上の面積が50平米以上あるか必ず確認する
  • 将来の売却を見据えて、極端に狭い物件や個性的な改装は避ける
  • 不動産会社の説明を鵜呑みにせず、複数の金融機関に相談する

住宅ローンの審査は、性別ではなく実質的な返済能力を見ています。フリーランスの方は取引先との契約状況など仕事の安定性を示す資料を、会社員の方は年収証明などをしっかり準備しましょう。正しい知識と準備があれば、単身者でも希望の条件で住宅ローンを組むことは十分可能です。焦らず、自信を持って物件探しを進めてください。

この記事を書いた人

株式会社ユナイテッドリバーズ代表取締役沢辺敦志(さわべあつし)

千葉県出身。自身の自宅購入時に、不動産仲介会社に不満を持ったことをきっかけに不動産売買仲介業を開業し、不動産仲介手数料無料機構イエフリをオープンさせる。
自身の苦い経験から、受付・接客業務に特にこだわってチームづくりを心がけてサービス運営している。
趣味は料理、二児の父。

【保有資格】宅地建物取引士、FP他

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