住宅購入時の頭金ってどんな役割?支払うことでどんなメリットがあるの?

せっかくマイホームを購入しようと思っても、貯金が少ないと不安ですよね?しかし、昨今では頭金がほぼ不要なフルローンで住宅を購入する方も増えています。
そして、頭金の特徴は以下のとおりです。
- 頭金は、手付金や諸費用とは異なる
- 頭金を用意することで住宅ローンが通りやすかった
- 頭金を増やすと住宅ローンの総支払金額は軽減される
この記事では、マイホームを購入する際の頭金の意味合いと頭金を用意することのメリットについて、分かりやすくご説明していきます。
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目次
住宅購入時の頭金ってどんな役割なの?
「子供たちのためにも、マイホーム欲しいよね…」
「そうね。でも、貯金が全然たまらないんだもん、無理よ。」
「みんな、よくも頭金貯める余裕あるよなって思うんだけど。」
「確かにね。何か秘密があるのかしら。」
マイホームを購入する際に必要な資金の種類は頭金・手付金・諸費用に分類することができますが、頭金はどんな役割を持つのでしょうか?
頭金は住宅ローン審査に通りやすくするための資金
元々頭金とは、住宅ローンの審査の際に、多ければ多いほど信用ができる(与信が高い)とされて、審査を通りやすくさせるための役割がありました。また、数十年の前のバブル期などの景気が良かった時代は、現在のように住宅ローン金利が安い時代ではないこともあり、ほとんどの人が頭金を準備して金利の負担を減らすのがごく一般的でもあったのです。
しかし、時代はバブルの崩壊となり、長きにわたるデフレが続き、円高になってお金の価値が上がると同時に、手元にお金を持つ人が少なくなっていきました。そして、政府と日本銀行の低金利政策によって、住宅ローン金利も超低金利の時代といえます。
もはや、頭金を準備せずにフルローンを組むことが当たり前の時代であり、超低金利であれば頭金を準備しようがしまいが、総支払額にそれほど大きな影響を与えるわけではありません。また、景気を良くするために政府も住宅ローン控除などで、貸し出しを後押ししている状態であり、頭金の有無が審査に関わることがほとんど無くなっている時代といえるのです。
頭金と手付金、諸費用の内容を把握しよう
それでは、手付金と諸費用はどのような役割なのでしょうか。手付金については、買主と売主の双方が責任をもって不動産売買契約を円滑に行うための、民法に規定されている費用であり、売買契約締結後の契約解除を安易にできないようにするための効力を持ちます。
不動産売買契約は金額も高額であり、人々の暮らしの直結する内容でもありますので、売買契約の当事者が責任を持って遂行しなければなりません。そのために手付金に解約手付などのペナルティの要素を持たせることで解約を抑止する役割を持ちます。具体気には、契約締結後に一方的に契約解除をする場合には、買主は手付金を放棄、売主は預かった手付金の2倍の額を返さなければなりません。
手付金の相場は一時期売買代金の20%程度が一般的でしたが、現在は5%~10%程度です。5%といえども3,000万円の5%は150万円ですから負担は大きく、さらに、手付金は住宅ローンの融資前の売買契約時に現金で用意しなければならない費用であるために、近年は数十万円を手付金とする場合も多くなっています。
また、諸費用については、頭金や手付金とは異なり、不動産売買契約に関する事務費用と考えればよいでしょう。主に不動産会社に支払う仲介手数料や、登記費用、火災保険費用、住宅ローンを受けるための手数料などが該当します。
なお、中古マンション購入時に必要な貯金については、こちらの記事をお読みください。
頭金を支払うことでどんなメリットがあるの?
もはや、住宅ローンの審査に影響しなくなったともいえる頭金を支払うメリットはあるのでしょうか?主なメリットは金利負担が減ることですが、頭金を支払うことによって金利の利率が下がるサービスもあります。
頭金を支払うメリットは借入金額が減る=利息が軽減されること
頭金を払えば払うほど、住宅ローンの借入金額を減らすことになりますから、借入金額に対しての利息負担も軽減され、最終的な総支払額は減ることになります。具体的にどれくらいのインパクトがあるのか、確認していきましょう。
前提条件として、適用する金利については、全期間固定金利のフラット35を利用する場合を想定して考えていきます。返済期間を「35年」とした場合、2021年1月時点において最も適用の多い金利は「約1.290%」、返済方法は毎月返済額が固定の「元利均等返済」として考えます。なお、融資手数料や保証料は除外します。
頭金を100万円用意した場合
総借入金額を2,900万円として計算をすると、総返済額は「36,052,848円」となり、利息負担分は「7,052,848円」、毎月の返済額は「85,840円」となります。
頭金を300万円用意した場合
総借入金額を2,700万円として計算をすると、総返済額は「33,566,425円」となり、利息負担分は「6,566,425円」、毎月の返済額は「79,920円」となります。
頭金を500万円用意した場合
総借入金額を2,500万円として計算をすると、総返済額は「31,080,004円」となり、利息負担分は「6,080,004円」、毎月の返済額は「74,000円」となります。
頭金を1,000万円用意した場合
総借入金額を2,000万円として計算をすると、総返済額は「24,863,944円」となり、利息負担分は「4,863,944円」、毎月の返済額は「59,200円」となります。
このように、頭金を多く用意することで利息負担分が大きく削られていくことがお分かりになったかと思いますが、毎月の返済額が大きく軽減されることも、頭金を支払うメリットとして取り上げられることがわかるでしょう。
頭金を支払うことで適用金利を下げることができる住宅ローンもある
頭金を支払うことで、適用金利を下げることができる住宅ローン商品を提供している金融機関もあります。具体的な商品名である「ARUHIスーパーフラット」は。頭金(自己資金)を5割用意すれば「スーパーフラット5」、1割用意すれば「スーパーフラット9」など、その準備した金額に準じて適用金利が低くなるサービスを提供しています。
たとえば「スーパーフラット9」の適用金利は「1.240%」であり、先に述べた適用金利よりも0.05%しか減っていないため、見た目上の金利のインパクトはそこまで大きいとはいえませんが、35年間適用される金利が減ると考えた場合、最終的には大きな影響を与えることになるのです。
頭金を少しでも多く入れるための方法とは?
頭金は無くても良いものの、多く入れることができれば全体の金利負担および、毎月の返済額は楽になります。それでは、少しでも頭金を多く入れるためには、どのような工夫をしたらよいのでしょうか。
相続税対策として親や祖父などに援助してもらう
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合」には、相続税の非課税制度を適用することができます。今のところ2021年12月31日までの時限措置の特例ですが、一定の要件を満たす場合には譲渡税の非課税枠を利用できるため、相続資産をあらかじめ減らすことで相続税対策になります。
もっとも、相続資産に対して相続税が適用されるケースは限られているものの、近年相続税の基礎控除が大幅に減額されたこともあるため、相続税を支払う可能性がある方については、これらの制度を説明してあらかじめの援助をお願いすべきといえるでしょう。
諸費用の大半を占める不動産手数料が無料である不動産会社に依頼する
諸費用は売買金額の10%程度といわれていますが、その多くは不動産仲介業者に支払う仲介手数料です。仲介手数料の計算は「物件価格×3%+6万円」という速算式で計算することができますが、3,000万円の物件であれば約100万円となり高額です。
不動産仲介業者には、これらの仲介手数料を無料としている場合もあるため、借入金額から仲介手数料分を実質値引きすることになります。つまり、頭金を準備することと同等な効果が得られることになるのです。
おわりに:頭金があれば金利の支払いが減り、毎月の返済額も減る
頭金があることで借入金額が減ることになるため、それだけ金利の支払いが減ることになります。そして、借入期間が同じであれば、毎月の返済額も減ることになり、将来的な家計の負担は少なくなるといえるでしょう。
もっとも、現在は超低金利の時代であり、各種特別な控除なども行われていますので、頭金が貯まってからマイホームを購入するよりも、時限措置である現在の仕組みを活かすことが重要です。また、仲介手数料無料の不動産会社を利用することで、頭金を準備することと同等な効果が得られることもポイントです。
この記事を監修した人

宅地建物取引士小林弘卓
長野県軽井沢生まれ、群馬県高崎市育ち。教員免許を取得したのち、教育関係の仕事に従事も、現場にて母子家庭や貧困家庭を目の当たりにし、何か役に立つことはできないかと決起。ファイナンシャルプランナー2級およびAFP、宅地建物主任者の資格を取得後、家計のやりくりから投資運用などお金のアドバイスだけではなく、様々なお悩み事を第3者の視点でアドバイスすることを目的とした「トータルアドバイズ」代表として活動。九星気学鑑定士としての人生相談も好評を得ている。