新築一戸建てには、「注文住宅」と「建売住宅」があります。土地探しから始めて、建物の細部まで綿密な打ち合わせを経てから建築が始まる注文住宅とは異なり、土地が分譲された後に建てられる建売住宅を購入する場合には以下の注意点があります。
- 物件価格にどんな設備が含まれているか確認しておく
- 自由に設計を変えることができないことを理解しておく
- 木造3階建て物件は構造に注意する
また、新築一戸建て全般的にいえる注意点は以下のとおりです。
- アフターサービスの内容を把握しておく
- 「建築確認申請書」と「建築確認通知書(検査済証)」は必ず受け取る
- 契約不適合責任について理解しておく
この記事では、マイホームとして建売住宅を購入する際の注意点について、詳しく説明します。
また、新築一戸建ての内見でチェックすべきポイントについても、弊社代表の沢辺がYoutubeでより詳しく解説しております。
目次
建売住宅購入時の3つの注意点
「この建売住宅、安くない?」
「そうだね!立地も丁度いいし、候補になりそう!」
「でも建売住宅って、エアコンついてないんでしょ?」
「え?どういうこと?じゃあエアコンは実費が必要ってこと?」
新築住宅の中でも、建売住宅購入時の注意点は以下の3つを挙げることができます。
物件価格にどんな設備が含まれているか確認しておく
建売住宅の場合には、標準の仕様や設備が異なります。特に、網戸や雨戸、TVアンテナ、そしてエアコンなどが含まれない可能性があるため、あらかじめ確認しておきましょう。また、電気回線やコンセントの数も標準仕様では数が少ないこともあるため、注意が必要です。
なお、エアコンが設置されていな場合には、自身でエアコンを購入し、取りつけ工事を依頼しなければなりませんが、この際には外壁に穴を開けなければならないだけではなく、エアコンの設置場所に電気回線を引いてこなければならない場合もあります。エアコン設置の穴が開いている場合もありますが、自由に設置場所を選べないことにもなりますので注意が必要です。
自由に設計を変えることができないことを理解しておく
建売住宅の場合、完成済の物件だけではなく、未建築や建築中に販売されることも多くありますが、間取りやデザイン、外観などはあらかじめ決まっていることがほとんどであり、自分が希望する内容に変更することはできません。これは後に記載する、設計に関する証明書が発行されてしまっていることに起因します。
ただし、変更できないのはあくまでも構造に影響するような内容であって、広い部屋を2つに仕切る、洋室を和室に変更する、室内の壁紙の色などの変更については、可能としている物件もあるため、あらかじめ確認しておくべきでしょう。
木造3階建て物件は構造に注意
3階建ての木造住宅は、2階建ての木造住宅より負荷がかかります。そのため、基礎や構造がしっかりしていないと、後のトラブルにつながる可能性があります。新築一戸建てに義務化されている瑕疵保証制度については、あくまでも10年間の保証であり、もし基礎や構造についての欠陥があれば、その影響は10年以降に出てくる可能性が高いのです。
注文住宅であれば、設計の段階から関わることになるため、基礎や構造についてもあらかじめ説明を受けながら建築することになりますが、建売住宅の場合、特に建築済であれば確認はできません。不動産会社に確認するだけでは心配だという場合には、住宅診断であるホームインスペクションなどを受けることで、住宅をチェックすることも手段の1つでしょう。
新築一戸建て購入時の注意点3つ
注文住宅、建売住宅に関わらず、新築一戸建て購入時の注意点として挙げられるのは以下の3つです。購入後のトラブルになりやすいアフターサービスの内容については、特に注意しておくべきでしょう。
アフターサービスの内容を把握しておく
アフターサービスは後述する「住宅品質確保促進法」(品確法)に基づく10年間の瑕疵担保責任とは異なり、義務化はされていないものの、売主や仲介不動産業者が独自に行う点検や補修などのサービスです。独自のサービスであるため、その保証や期間は売主や不動産会社によって異なります。
サービスの内容としては、床鳴り、窓やサッシの歪み、クロスの剥がれなど様々ですが、義務化されている契約不適合責任(瑕疵担保責任)では保証されない部分をカバーする内容ですから、しっかりとその保証内容や期間については確認しておきましょう。
また、外壁塗装保証やシロアリ保証など、各種保証は不動産会社だけではなく、各施工メーカーが独自で用意してある場合もあるため、保証内容を漏れなく確認しておくことで、後のトラブルに備えることができるといえるでしょう。
「建築確認申請書」と「建築確認通知書(検査済証)」は必ず受け取る
建売住宅の安全性を確認するためには、「建築確認申請書」と「建築確認通知書(検査済証)」を提示してもらうことが重要です。
「建築確認申請書」は住宅を建てる際に、設計図面を添付して特定行政庁または民間検査機関に提出することで、設計が合法であるかの確認を受けるための証明書です。「建築確認通知書(検査済証)」は、その後、建築の許可が出されたことを示す証明書です。
これらは、物件の引き渡し時に買主に渡されるのが一般的ですから、これらの書類をもらい受けることができない場合、違法建築である可能性もあります。また、これらの証明書は物件の売却の際にも必要とされるため、必ず保管しておくようにしましょう。
品確法に基づく10年間の瑕疵担保責任について
新築物件には「住宅品質確保促進法」(品確法)に基づく10年間の瑕疵担保責任が義務化されていますが、その保証範囲は梁や基礎といった重要な構造体の「隠れたる瑕疵(買主が注意を払っていても気付くことができなかった欠陥)」にのみ適用されるものであることは認識しておきましょう。そして、万が一売主が倒産した場合であっても、修繕費が保証される仕組みとなっています。
なお、2020年4月の民法改正によって、瑕疵担保責任は契約不適合責任に名称が代わり、「隠れたる瑕疵」ではなくとも、瑕疵あれば責任を追及することができるようになりました。軽微な瑕疵には適用されませんが、契約解除のほか、補修請求権や代金減額請求権なども認められるようになったことで、買主の保護が一層強くなっていることについては理解しておきましょう。
おわりに:購入後のトラブルに対処できるよう、十分に注意しましょう
新築一戸建ての場合はマンションとは異なり、建物に関する保証について念入りに確認しておく必要があります。また、建売住宅は注文住宅よりも割安であることが多いですが、標準的な設備が売主によって異なるため、設備の導入を自己負担した場合、代金が高くなることにも注意が必要です。
この記事を監修した人

宅地建物取引士小林弘卓
長野県軽井沢生まれ、群馬県高崎市育ち。教員免許を取得したのち、教育関係の仕事に従事も、現場にて母子家庭や貧困家庭を目の当たりにし、何か役に立つことはできないかと決起。ファイナンシャルプランナー2級およびAFP、宅地建物主任者の資格を取得後、家計のやりくりから投資運用などお金のアドバイスだけではなく、様々なお悩み事を第3者の視点でアドバイスすることを目的とした「トータルアドバイズ」代表として活動。九星気学鑑定士としての人生相談も好評を得ている。